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【健康】 女性も注意!痩せているのに「脂肪肝」のワケ


最近は太ってもいないのに健康診断で「脂肪肝」と指摘されてビックリされる女性が多いそうです。

肥満でもないのに脂肪肝になるということで注目されているようです。


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脂肪肝とは肝臓がメタボのようになった状態を指します。

脂肪肝の原因は肥満飲酒が一般的な原因です。

しかし痩せていても脂肪肝になるその理由は栄養が偏っている栄養不足であると考えられています。

特に女性に多いのは糖質の摂り過ぎ

糖質を摂取すると血糖値が上がりインスリンが分泌されます。
インスリンが分泌されると血糖値が下げるだけでなく、タンパク質や脂質の合成も同時に行っています

これは、インスリンにはエネルギー源を蓄える役割があるからです(タンパク質や脂質は糖質が枯渇した時にエネルギー源として必要な栄養素)

通常、摂取した糖質は、消化されたのちブドウ糖などに分解され小腸で吸収されてまずは肝臓に取り込まれます(これはインスリンの作用によるものではない)

肝臓に取り込まれたブドウ糖の大部分はインスリンの作用によってグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、残りのブドウ糖は血中に放出されますが、インスリンが作用している間は肝臓からの糖放出を抑制します。
そして、肝臓にて余分なブドウ糖はインスリンによって中性脂肪に変換され貯蓄されます(インスリンが働くと血中のブドウ糖が減るので血糖値は下がるが肝臓に脂肪分が貯まる)


糖質の摂取 → 血糖値の上昇 → インスリンの分泌 → 中性脂肪の貯蓄


『【健康】 分かっているようで知らない「甘いものを食べると太るワケ」』 参照


そのためインスリンは「肥満ホルモン」と呼ばれることもありますが、たとえ肥満化しなくても肝臓にはしっかりと脂肪が蓄えられているはずです。

肥満化しなくても肝臓に脂肪がたまる理由はこうです。

肝臓から放出された中性脂肪は、血液を通して全身をめぐりますが、どの細胞にもエネルギー源として取り込まれなかった中性脂肪は再び肝臓に戻ってきます


また、そのような生活を続けていると、やがてインスリンの効きが悪くなって血糖値が下げられなくなり糖尿病になります。

糖尿病もまた脂肪肝の原因です。

それは、インスリンには血中の中性脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼという酵素を抑制する働きがありますが、インスリンの効きが悪くなるとリパーゼの活性を抑制できず、中性脂肪より分解された脂肪酸が肝臓に取り込まれ、肝臓に脂肪が蓄積されるからです。

インスリンは働き過ぎても働かなくても肝臓に脂肪がたまるので、糖質の摂り過ぎは脂肪肝リスクを高めます。



では、糖質の摂取を制限すれば良いのか?

糖質の摂り過ぎが脂肪肝の原因になるというのなら糖質の摂取量を抑えれば良いということになりますよね。


ところが過度な糖質制限も実は問題ありなんです。

とりわけ女性に多いのが糖質制限ダイエット

これなら確かに痩せることができます。ダイエットとしては有効な方法です。

しかし、その代わりに脂肪肝になるリスクは高まるんですね。

なぜか。


それは、糖質が不足するとエネルギー不足にならぬよう、全身の血中から脂肪を肝臓に集めるため。

せめて糖質の代わりにタンパク質を摂取するのであればあまり問題にはなりませんが、
タンパク質まで制限するような過度なダイエットは脂肪肝リスクをさらに高めます。

先ほど、中性脂肪は肝臓から全身に運ばれるといいましたが、このときに中性脂肪はタンパク質と結びついて「リポタンパク」を形成してから血中に放出されるという特徴があります。

そのため、タンパク質まで不足していると、リポタンパクが作れないので中性脂肪が肝臓から放出されずたまり続けることになるんですね。

タンパク質は糖質が不足した場合のエネルギー源として消費されるので、糖質を制限するとタンパク質も不足しやすくなるため注意が必要です。


糖質は摂り過ぎても取らなさ過ぎても脂肪肝リスクになるということが分かります。

問題は摂取量ではなく、消費量なんです。

運動不足などにより中性脂肪が消費されない状態が続くと、肝臓にどんどん中性脂肪がたまるので脂肪肝リスクが高まります。

だからエネルギーを消費しないと脂肪肝になります。

女性に多い「○○制限ダイエット」や「○○抜きダイエット」は、痩せることはできても脂肪肝になる可能性を高めてしまうようです。


さらに女性が脂肪肝になりやすい理由が女性ホルモン。

女性の場合、肝臓の働きを助ける女性ホルモンが加齢によって減少することで脂肪肝のリスクになることが分かっています。

女性ホルモンであるエストロゲンには、血中の脂肪を皮下脂肪へとため込む作用があります。
閉経後はエストロゲンが減るので、血中の脂肪を皮下脂肪へとため込むことができず、その代わり肝臓にためてしまうようです。

マウスの実験では、エストロゲン欠損マウスは脂肪肝になり、エストロゲンを投与すると脂肪肝が抑制されることが分かっています。


女性に意外と多い脂肪肝の危険因子。

脂肪肝は放っておくと慢性肝炎や肝硬変に発展するので甘くみてはいけません。

特効的な予防方法はなく、食生活や運動習慣の改善で自分の身を守るしかなさそうです。



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