どうもSHIBAです。
健康的なオイルだということで注目度が高くなっているアマニ油(亜麻仁油)ですが、今では人体にもたらす健康効果についての研究が随分進んでいるみたいです。
個人的にも2年半前ぐらいからアマニ油を意識的に摂取するようにしていますが、元々は動脈硬化の予防が理由でした。
ところがその後、アマニ油は脳神経の働きを助けるので認知症の予防になるとか、新陳代謝を促して中性脂肪の吸収を抑えのでダイエットに効果があるとか、炎症を抑える作用があるので花粉症などのアレルギー症状を緩和が期待できるなど・・・まあ嬉しいかぎりの健康作用があるということが分かってきたわけですが。
中でもちょっと気になったのが「アマニ油は紫外線対策に効果がある」という話。
これからは紫外線に注意が必要になってくる季節になるので、これがもし本当なら女性に有益な話でしょう。
ですが、この話には『落とし穴がある』ような気がします・・・
アマニ油の主成分はα-リノレン酸。DHAやEPAと同じオメガ3脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は動脈硬化を防いだり、コレステロール値や中性脂肪値を下げるので、高血圧や肥満、心臓病に脳卒中など、いわゆる生活習慣病の予防に効果を発揮すると報告されていました。がんや認知症の予防にまでその可能性を広げています。
そんなわけでDHAやEPAを多く含む青魚を食べることは生活習慣病の予防になるとして、一時期ブームになったこともありましたが、最近はアマニ油やエゴマ油を摂取することで手軽にオメガ3脂肪酸を取り込むことが一般的となってきました。
ただし、アマニ油やエゴマ油のα-リノレン酸を含むオメガ3脂肪酸は、熱に弱いという性質があり、加熱調理に用いると酸化してしまいます。
つまり「酸化しやすい」というのがオメガ3脂肪酸の特徴です。
さて、「アマニ油は紫外線対策に効果がある」という話はどこから出てきたのか?
オメガ3脂肪酸に生活習慣病の予防に効果があるとされているその根拠は血をサラサラにすることにありますが、血がサラサラになるということは便秘が解消されやすいということでもあります。
通常の油(特に質の悪い油や酸化した油)では、ふつう血はドロドロになってしまったり、油自体が腸内で腐敗したりして腸内環境を悪化させ便秘を招きます。
そういうわけでアマニ油は血をサラサラにするので便秘が解消され、間接的に美肌に効果があるという風には考えられます。
また、抗炎症作用があるので、炎症を起こした皮膚症状の回復を促進する期待はできます。
このように「アマニ油は美肌効果がある」という話から「紫外線にも効果がある」と期待され始めたのでしょうか。
ここで『落とし穴がある』と言ったのは、アマニ油を肌に塗ると紫外線対策になると考えている人がいるということです。
まかり間違っても紫外線対策としてアマニ油を肌に塗ってはいけません。
繰り返しになりますが、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい特徴があります。紫外線に強いはずがありません。
本来、アマニ油は遮光ビンに入っていて直射日光を避けて保存されていなければなりません。
容器が遮光ビンでもないのに日差しや蛍光灯に晒されながらスーパーに陳列されているアマニ油は、おそらく酸化防止の工夫が施された商品だと思われます。
従って、アマニ油を肌に塗っても紫外線対策にはなりません。
ただし、アマニ油の塗布が肌になんら効果をもたらさないというわけではありません。
保湿効果や抗炎症作用に働くことは間違いないので、例えば夜にアマニ油を塗り、朝になったら洗い流すようにすれば有効に活用できるのではないでしょうか。
そもそもアマニ油が紫外線対策に効果があるとすれば、それは経口摂取した場合でしょう。
肌に塗れば紫外線対策になるというような誤解を生む理由の一つとして、サンオイルの存在があるかもしれません。
サンオイルと植物油は違います。
サンオイルは肌をこんがり焼きつつ、紫外線をカットして皮膚にダメージを与えにくくすることが目的ですからね。
オイルを塗れば紫外線から守ってくれるというイメージはそこから来ているかもしれませんが、そく考えてみても下さい。直射日光に当たる場所で保存してよい植物油なんてないですよね?
ただし、植物油の中でも酸化しにくいものもあります。オリーブ油やスイートアーモンド油、椿油、ホホバ油などがそうですが、これらは比較的紫外線に強く、肌に塗ることで皮膚を保護する役割があるので体に塗ってもOKです。スキンケアのキャリアオイルとしても使用されます。
アマニ油は健康食品としてはとても優れていますが、スキンケアのキャリアオイルとして商品化されたりしていないのも、極めて酸化しやすいという特徴があるからだと思われます。
というわけで、「アマニ油を肌に塗ると紫外線対策になる」という情報には気を付けましょう。
もし肌に塗るのなら夜にするとか、紫外線が弱く乾燥しやすい冬の時期にしておいた方が良さそうです。