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なぜ株価って国内の景気動向と連動してないの?(後編)


流行語の候補に、広島カープの女性ファンの愛称「カープ女子」というのがあるらしいですね。

ならば巨人の女性ファンは「ジャイ子」かな?どうもSHIBAです。


しかし、昨日の日経平均株価が大幅に上がりましたねぇ。
7年ぶりの高値ですか。

主な原因は円安。

先週末に日銀が追加金融緩和策を決定したことで円相場が
1ドル=113円台と大幅に円安が進行したことが支援材料となりました。

安倍さんや黒田さんにとってみれば狙い通りなんでしょうね。

いや、別にイヤミで言ってるわけではありませんよ。

株価が上がることは良いことです。

直接儲かるのは企業や投資家だけですが、
巡り巡って我々庶民も恩恵を受けるはずですから。

ただし、アベノミクスが上手くいけば・・・の話ですが。


アベノミクスの描いているシナリオはおそらくこうです。


(1)デフレ脱却に対するアナウンス効果(期待に働きかける)

 ↓

(2)金融緩和により円高から円安へ修正

 ↓

(3)輸出企業の売上・利益増加(今ココ!)

 ↓

(4)輸出企業の雇用拡大・所得増加

 ↓
 
(5)家計消費支出の拡大

 ↓

(6)中小企業を中心とした内需産業も雇用拡大・所得増加


これが理想的なシナリオです。たぶん。

ところが今、(3)のところで足踏み状態となっております。

確かに円安により輸出企業の売上・利益は増加しています。

が、問題はその中身。

為替差益で儲かってるだけでは?

アメリカで車を1台100ドルで販売すると、
1ドル=100円の場合100万円の売上ですが、
1ドル=110円の場合110万円の売上となり、
販売台数が増えなくても儲けることが出来ちゃうわけです。

企業の最終目標は利益を出すことですから、
これはこれで良い事ような気もしますが。

実力ではなく円安の恩恵で儲けているだけでは、
企業は成長しません。

やはり生産性を向上させないとね。
設備投資や雇用拡大に繋がりませんから。


しかも貿易収支(輸出額-輸入額)はずっと赤字が続いていますしね。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NDS7M26TTDS401.html
ブルームバーグ:9月の貿易収支は27カ月連続赤字

円安によって輸出額が増えても、
それ以上に輸入額が増えちゃって、
当然物価も上がっちゃうから
これではなかなか家計消費も拡大しづらいです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141104/k10015931891000.html
NHK:円安で輸入の生鮮食料品値上がりも


このように、多くが輸出企業で構成された日経平均株価が上がったからといって、
決して国内景気と結びついているわけではないと言っても過言ではないような気がします。

あ~あ。せっかく下がってきたガソリン価格もまた上がり始めるのかなぁ。

嫌だなぁ。


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『なぜ株価って国内の景気動向と連動してないの?(前編)』

(シバノミクス SHIBA)