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天皇陛下はエンペラー?(後編)

『天皇陛下はエンペラー?(前編)』 の続き

「皇帝」と「天皇」は同義語。

つまり
「皇帝」=「天皇」

「皇帝」は英語で「エンペラー」と言うから、
「天皇」も英語で「エンペラー」と言う。

でも「天皇」を「エンペラー」と呼ぶのは、なんだか違和感があるよね。

ってな話をしました。

そこで今回は、その違和感について考えてみました。



そもそも「皇帝」て何や?

まずそこから疑問ですよね。天皇なら分かるけど。

そこで頼れる兄貴、ウィキペディアで調べてみると「君主の称号の一種で、王よりも上位のもの」とある。

かなり曖昧です。

まあ、いろいろと諸説あるようですが、
簡単にいうと、それぞれ「王」が支配する国を「王国」といって、
複数の王国を統一するのが「帝国」、その頂点に立つのが「皇帝」
ということらしいんだけど。

まあいいや。


とにかくね。

「天皇」が他国の「国王」や「皇帝」との決定的な違いがあるんですが。

例えば歴史。

現在、世界には王室が27(28?)あり、その中でも日本の天皇の歴史は世界で一番古いです。

今上天皇(明仁)は第125代天皇にあたります。

2番目に古い国はデンマークで、今の国王が第54代ですからね。日本ぶっちぎりです。

そして一番決定的な違い。

それは他国の国王や皇帝は何れも武力による支配・統治によるもの
例外なく戦いの勝者です。

それに対し、天皇は古来より由緒正しき天皇家により代々継がれてきたものです。

天皇家内での権力争いは過去に壬申の乱などありますが、天皇家以外の血筋の者が天皇になることはありません。
どんなに力があってもです。

天皇家とは関係の無い誰かが「今日から俺が天皇だ」と名乗ったとしても
「は?おまえ何言ってんの。頭おかしいんじゃね?」
と言われるのがオチです。
それだけ血が大事だということ。

ナポレオンは広大な領土を支配し、自ら「皇帝」を名乗りましたが、同じようなことを日本では出来ないということです。


栄華を極めた藤原氏も、武家社会を築いた平氏も源氏も足利氏も、信長・秀吉・家康でさえも。天皇を倒して自ら天皇を名乗るということはなかった。

これって凄くないですか?


そしてその理由は、天皇が「権力者」ではなく「権威者」だったということです。

他国の国王や皇帝はその国の最高権力者です。支配者ですから。

天皇だけは違います。権力はありません。
権力は政治家、昔なら幕府や将軍が握っています。

天皇は神主の総長みたいなもの。

では天皇の役割って何だ?と思いますよね。

天皇陛下の一番大事な仕事。それは「お祈り」

国民の幸せと平和をお祈りされています。

「えぇ~?」と思われますか?

思い出されますか去年2012年3月11日。

東日本大震災1周年の追悼式に天皇陛下が参列されていましたが、直前に心臓手術を受けておられたことを覚えていますか。

この追悼式にどうしても参列するために、天皇陛下は日程を逆算して手術の日を決められたそうです。

周りからは「無理をしないように」と慎重論もありましたが、陛下が「私には祈ることしかできない」と言って強行日程を組まれたとのこと。
勿体無きお言葉じゃありませんか。


とにかく。

天皇は「権力者」ではなく「権威者」

GHQが知りたかったことは、そういうことでした。

第2次世界大戦時の権力者は軍部にあり、平和を願う昭和天皇の意思とは関係なく暴走しました。

敗戦が濃厚になった時の「降伏するか徹底抗戦か」を決める御前会議。
その時の昭和天皇の心中察するに辛いものがあります。

天皇について理解したGHQは、天皇に戦争責任を追及しませんでした。
命令するような権力者ではなかったからです。

8月15日の玉音放送で、昭和天皇は国民に対しても「日本は負けたんだから降伏しなさい」とは命令していませんよね。

「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・」という慈悲深い独特の表現をされています。

だから日本国民は涙を流しながらも素直に降伏を受け入れたんでしょう。

日本が焦土から経済大国に急成長した底力の源は、この玉音放送による部分も結構あるんじゃないですかね。


ってなことで。

「天皇」は「皇帝」とは全然違う性質なもの。

だから「天皇」は英語では「エンペラー」ではなく「テンノウ」でいいよ。

というのが僕の結論です。


(今回のブログ記事は2013年のメルマガで掲載した内容です SHIBA)