久しぶりに経済のことを考えています、どうもSHIBAです。
ちょうど日本の企業が決算を迎えているこの時期、
海外に生産拠点を多く持つ大手製造業、いわゆるグローバル企業において、
国内への生産回帰が始まったとの報道が相次いでいます。
とりわけ電機関連会社が多いのかな?
自動車メーカーも一部国内回帰が始まっているようです。
大企業においてはこれまで、円高対策のため、海外で工場を建て、現地で従業員を雇う流れが長らく続いていました。
それが今の円安基調の流れを受けて、海外生産を縮小し、国内生産を増やす動きが広がっています。
これは喜ばしいことなのでしょうか?
参考までに海外企業に目を向けてみますと、
米国ならびに欧州では2年前より生産拠点の国内回帰が始まっています。
確かに中国や新興国での人件費コストに対する魅力は以前ほどではないでしょう。
なので、この流れは日本にとっても不思議ではないと考えたいところですが、
どうも日本と海外では事情が違うようです。
しかも同じ海外でも米国と欧州もまた違う性質を持っているようです。
米国が国内に生産拠点を戻した一番の理由はシェールガス革命によるものですよね。
自国でエネルギーを賄えるようになれば、エネルギーコストの削減が可能になるので、
工場を国内で建設するのは当然の流れともいえます。
その点において、日本にはエネルギーが無いので米国とは状況が違います。
では欧州はどうか。
欧州が生産拠点の国内回帰を行った最大の理由はおそらく失業率の改善のため。
欧州では10%を超える失業率が景気低迷の要因ともなっており、
雇用を増やすため国内に工場を戻す政策に出た結果となっております。
そもそも欧州の失業率が高いのは、労働者に対する厚い保護政策のため。
高い賃金を保証すれば、企業側からしてみると大勢雇うことは出来ず、
結果として失業者が増えてしまうので、これを解決するには賃金を下げるか単に雇用を増やすしかないわけです。
その点において、もともと日本は失業率は低い。しかも業種によっては人手不足で困っているくらいです。
やはり欧州とも状況が違います。
というわけで、日本企業の生産国内回帰が吉と出るか凶と出るか、僕にはさっぱり分からないが、
今の円安基調を受けてそうするのだとすれば不安の方が大きいですね。
生産だけではなくて、売上・販売も海外依存率が高いのだとすれば、
やはり現地で資材調達、生産、販売をした方が効率良いのは明白なのではないのかな?
でなければ、体裁よく生産の国内回帰と誤魔化しているだけで、実は不採算事業整理でしかない気がします・・・
(考え方が偏屈者 SHIBA)