今回は小腸で吸収された栄養素は、水溶性か脂溶性かによって異なる運搬経路で運ばれるというお話をします、どうもSHIBAです。
小腸の周りには毛細血管やリンパ管が張り巡らされていますが、
水溶性の栄養素は主に毛細血管(門脈系)、
脂溶性の栄養素は主にリンパ管(リンパ系)に摂り込まれます。
門脈系に摂り込こまれた栄養素は肝臓へ直行で運ばれます。
例えばブドウ糖などは直ぐに肝臓でエネルギーとして利用されます。
対しリンパ系へ摂り込まれるのは中性脂肪やコレステロールなど。
こちらは胸管と呼ばれる太いリンパ管へ経て、鎖骨下の静脈へ合流します。
なので脂質は基本的に直ぐにはエネルギーとして利用されることはありません。
また病原菌などもリンパ管で摂り込まれます。
血管は入国審査が厳しいんですよ、病原菌が直ぐに肝臓へ運ばれるとマズイですからね。
だから水に溶けない分子の大きいものは全てリンパ管へ運ばれます。
そして静脈へ合流する間に何度もリンパ節を通過してろ過されたり、免疫細胞によって駆除されるんですね。
ちゃんと意味があって遠回りしています。
『【美容】リンパを知る③ リンパの役割』 参照
さて、話はここから番外編ですが・・・
先ほど脂溶性の栄養素、例えば中性脂肪やコレステロールなどの脂質はリンパ系へ摂り込まれると言いましたが、脂質の中でも一部は門脈系から摂り込まれます。
中性脂肪やコレステロールを構成している成分に「脂肪酸」があります。
脂肪酸は、主に炭素(C)、水素(H)、酸素(O)から成っていて、炭素鎖(いくつの炭素が結合しているか)の数によって短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸とに分かれています。
ふだん僕たちが摂取している食物油(サラダ油やオリーブ油)のほとんどが長鎖脂肪酸です。
だから一般的には脂質はリンパ系へ摂り込まれると言われていますが、実は短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸は分子が小さいため例外的に門脈系に摂り込まれています。
つまり直ぐに肝臓で燃焼されやすい。
そのため、最近では中鎖脂肪酸を含む油は「体に脂肪を溜めにくい」としてトクホ(特定保健用食品)として販売されているものもあります。
興味のある方は「中鎖脂肪酸、トクホ」で調べてみてね。
ただし、100%中鎖脂肪酸使用というわけではありませんので誤解なきよう。
(微妙なトクホもあるからねぇ SIHBA)