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【健康】 インスリン分泌を促す腸内細菌たち(後編)

どうもSHIBAです。

インスリンの働きを良くすることで糖尿病の改善になることは言うまでもありませんが、
薬に頼らなくてもインスリンの分泌を促すことができたら・・・

その可能性があるのが腸内細菌たち。

インスリンの分泌を指令しているのはインクレチンという消化管ホルモンであり、
「GIP」と「GLP-1」の2種類のホルモンがあります。


『【健康】 インスリン分泌を促す腸内細菌たち(前編)』 参照

その内、GLP-1にはGIP同様、すい臓に働きかけてインスリンの分泌を促進する作用があり、
血糖値が低い時には働きかけないという特徴もあります。

さらにGLP-1には、胃の内容物排出速度を遅らせ、満腹感を助長することで食欲を抑制したり、食後の急峻な血糖上昇を抑制したりする作用もあるとか(ウィキペディアより)

ただ、なぜこのような下部の消化管から分泌されているのかが、かつては疑問視されていました。

そして近年の研究で明らかになったのは、腸内細菌たちが関与していたこと。

腸内細菌たちは我々と同様、生きています。

生きるために栄養を吸収し代謝をもしています。

腸内細菌にとっての栄養とは難消化性成分。

またこんな奥までは難消化性の栄養素ぐらいしか流れてきませんからね。

栄養素のほとんどは小腸で吸収されますから、下部消化管(回腸・大腸)まで流れてくるのは消化・吸収できなかった物に限られます。

腸内細菌の中でも善玉菌と呼ばれるバクテリアは、食物繊維やオリゴ糖、及び難消化性でんぷん(レジスタントスターチ、難消化性デキストリン)などを好みます。

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これら糖質由来の難消化性成分を総称してルミナコイドといいます。

『【健康】 食物繊維は誤解されすぎ!?本当の魅力』 参照


善玉菌は食物繊維などのルミナコイドをエサとして分解・吸収し代謝しているんですね。

この一連の働きを発酵といいますが、発酵によって乳酸や酢酸などの短鎖脂肪酸という有機酸を生成しています。

善玉菌によって生成された短鎖脂肪酸が、下部消化管(回腸・大腸)のL細胞と呼ばれる部分で受容し、
つまりこれがセンサーとなってGLP-1が分泌されることが分かっています。




・・・ということは。

毎日の食事で食物繊維をしっかりと摂ることで、善玉菌たちがGLP-1を分泌してインスリンを活性化させることに繋がるのでは?という期待が当然出てくるわけで、ここが注目されている所以となっております。

じゃあ消化できないものを食べれば良いのかというと何でも良いわけではありません。

腸内細菌は善玉菌ばかりではありませんからね。

糖質(炭水化物)の消化できなかったもの(食物繊維など)は善玉菌のエサに。

肉などのたんぱく質や脂質の消化できなかったものは悪玉菌のエサに。


悪玉菌が優位になると発がん成分が活性化されるというので気を付けたいところです。


今考えると、この腸内細菌たちは、我々の栄養を横取りすることなく、消化できなかったカス、
つまりおこぼれを頂戴していてるのかと思うと、何だか可愛い奴に思えてきました。

しかもインスリンの分泌を促進して血糖値の抑制に一役買っているわけですから、
なんとも愛おしい存在ですね。


(そういえば昔はインスリンのことインシュリンと呼んでたなぁ SHIBA)