どうもSHIBAです。
カロテノイドは今や機能性成分として注目が高く、健康に好影響をもたらすことが期待されています。
とはいえ、まだまだ研究途上でもあり、よく耳にする名前の成分ではありますが、イマイチどんな成分なのか理解されていないのも事実です。
カロテンというのはまあ、簡単に言えば動植物に含まれる色素のこと。
植物は光合成するために光を浴びる必要があるわけですが、それと同時に紫外線から身を守らなければなりません。
カロテノイドは光に対する保護機能があり、それはつまり紫外線によって発生する活性酸素の一部を消去する性質(抗酸化作用)を持っています。
我々はその植物を摂取することでカロテノイドを得ています。
カロテノイドには様々な種類があり、それによって色や効果に違いがありますが、
一般的に色の濃いものはそのぶん抗酸化力が強いとされています。
一応、代表的なカロテノイドを紹介しておきましょうか。
カロテノイドには大きくカロテン類とキサントフィル類に分けられます。
【カロテン類】
リコピン(赤色)・・・トマト、スイカ、柿
β-カロテン(橙色)・・・にんじん、カボチャ
【キサントフィル類】
クリプトキサンチン(黄橙色)・・・トウモロコシ、みかん、卵黄
アスタキサンチン(赤色)・・・サケ、マス、カニ、エビ
他にもルテインやカプサイシンなど色々なカロテノイドがありますが、ここでは省略します。
ちょっとここで。最近、化粧品などに利用され始めて知られるようになったアスタキサンチンについてお話しします。
カニやエビ、それから鮭の持つ赤色。あれはアスタキサンチンの色素によるものです。
なので鮭の身は赤色ですが、本来は白身魚なんですよ。
アスタキサンチンを含む藻などをエサとして食べるプランクトンを鮭が食べることによって鮭の身も赤くなるんだそうです。
一説では、鮭は産卵するために川を上りますでしょ。その時に身体がボロボロに傷つくので、それに備えるために抗酸化力の強いアスタキサンチンをたくさん摂取するんだとか言われています。
鮭が産卵時に一気に赤くなるのは体内に溜め込んだアスタキサンチンを全開放出しているんでしょうね。
産後に一生を終えるくらいだから、アスタキサンチンの力を使い切っているというか、それだけアスタキサンチンの抗酸化力が凄いのかもしれません。
イクラが赤いのもアスタキサンチンによるもので、ということは鮭の身やイクラを食べれば抗酸化力が身に付くかもしれませんね。
そんなアスタキサンチンよりも抗酸化力が強いとされているのが、トマトなどに含まれるリコピン。
リコピンもアスタキサンチンも、β-カロテンより抗酸化力が強く、活性酸素を消去する速度はリコピン、アスタキサンチン、β-カロテンの順であることが報告されています。
さて、
カロテノイドの中には、体内に取り込まれるとビタミンAに変換されるものがあります。
このようなカロテノイドを「プロビタミンA」といいます。
β-カロテンをはじめ、α-カロテン、γ-カロテン、β-クリプトキサンチン、エキネノンなどが該当します。
これらプロビタミンAに属するカロテノイドは、ビタミンAとしての作用、つまり視覚機能や皮膚・粘膜細胞の機能維持などに働きます。
『【健康】 暗闇に目が慣れない人はビタミンA不足かも』 参照
ただし、ビタミンAの吸収率は70~90%であるのに対して、β-カロテンなどのプロビタミンAの吸収率はそれより低く、
しかもビタミンAへの変換率は半分ぐらいしかないそうなので、カロテノイドがビタミンAになるのはごくわずかになってしまいます。
カロテノイドの種類によっても差はありますが、一番ビタミンAに変換されるβ-カロテンの場合、
1μgのビタミンA = 12μgのβ-カロテン
つまり、12μgのβ-カロテンでようやく1μgのビタミンAに相当する程度なんですね。
しかも、β-カロテンからビタミンAへの変換は、必要量しか行われないため、β-カロテンの過剰摂取によるビタミンA過剰症状は認められないそうなので、どんどん積極的に摂取したいものです。
仮にビタミンAへ変換されなかった分も、カロテノイドはその持ち前の抗酸化作用が働いてくれますから無駄になることはありません。
カロテノイドもビタミンEと同様に脂溶性であるため、細胞膜に存在し、活性酸素の消去に働いてくれますよ。
油に溶けやすい脂溶性だということは、油とともに摂取すると吸収率が高まるということ。
相性の良いトマトとオリーブ油の組合わせは、リコピンを効率よく摂取できるという意味でも理にかなっていますね。
(リコピンはビタミンAにはならないよ SHIBA)