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【健康】 <最新のニュースから> 米国でマーガリンなどトランス脂肪酸が全廃へ

遂に!というか、以前からそういう動きはありましたが、
アメリカでは2018年にトランス脂肪酸を添加した食品の販売を禁止することが決定しました


http://www.asahi.com/articles/ASH6K23DPH6KUHBI006.html
朝日新聞:トランス脂肪酸の禁止、米が決定 「安全と認められぬ」

トランス脂肪酸が心臓病などのリスクを高めると考えられているため、食品での使用禁止に至りました。

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トランス脂肪酸はマーガリンや、お菓子や揚げ物に使われるショートニングなどに含まれています。

そのため、このアメリカの報道を受けて日本国内にどのような影響があるか注目されています。

特に毎日マーガリンを食している人たちにとっては、その動向が気になるところでしょう。

いやいや、それ以前に「マーガリンが健康に悪い」と判断されていることにショックを受ける人も多いかもしれません。

バターよりマーガリンの方が健康に良いと思っていた人は多いでしょうからね。

バターは動物性油脂。マーガリンは植物性油脂。

そりゃ普通に考えればバターの方が健康に悪そうな印象を受けますよ。

でもよくよく考えてみれば、確かにマーガリンが怪しく思えることに気付くかと思います。

というのは、そもそもマーガリンは、かつて世界でバターが欠乏していた時代にそのバターの代用品として誕生した食品です。

ここで不自然だな、と思えることに気付くでしょうか?

マーガリンの油脂は植物性なのに何故固体なんだろうか?と・・・

動物性の油脂は融点が高く、常温では固体であることが多いのに対し、植物性の油脂は融点が低く、常温では液体であることが多いもの(一部例外を除く)

厳密にいえば「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」


イメージとしてはこうなります(一部例外あり)

 動物性油脂 = 飽和脂肪酸 = 固体
 植物性油脂 = 不飽和脂肪酸 = 液体



マーガリンは不飽和脂肪酸なのに固体であることの不自然さ
これは硬化処理といって、人工的に油脂の構造を変化させることで実現しています。

この時に構造が変化した油脂の一部がトランス脂肪酸というわけです。

『【健康】 トランス脂肪酸とは。サルでも分かる超スーパートランス脂肪酸入門ガイド』 参照


不飽和脂肪酸でありながら、その構造上からラードやバターなどの飽和脂肪酸と同じような性質を持つわけですから、
体内で代謝されにくく、人体の健康に様々な悪影響を及ぼす考えられているんですね。

具体的には悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすと言われています。

そのため心臓病のリスクが高まるというわけです。


このへんの科学的根拠として、日本の農林水産省ではホームページにてこう見解を述べています。

「トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、トランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません」
 
「油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類があるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては、十分な証拠がありません

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/
農水省:トランス脂肪酸に関する情報


つまり、アメリカと日本では、トランス脂肪酸に対する見解に違いがあり、ただちにアメリカの影響を受けるようなことは無さそうです。

ではなぜアメリカではトランス脂肪酸を禁止したんでしょうか・・・


おそらく現実はこう(僕の推測)

トランス脂肪酸が飽和脂肪酸と同じく、健康に害を及ぼすことがある。これは間違いない。

ただし、何事にも摂取量には閾値というものがあります。

閾値とは特定の影響を及ぼす境目のこと。

人体が浴びてもよい放射線量の考え方と同じですよ。

つまり少しぐらいはトランス脂肪酸を摂取しても健康には影響ないが、閾値を超えると悪影響があると。

そしてアメリカ人はその閾値を超える食生活を送っている人が多い。

アメリカ政府としては国民の健康を考えた時に、国民にトランス脂肪酸の過剰摂取を止めるよう呼びかけるだけでは効果がないので、法律的にこれを禁止するしかないと・・・

一方、日本ではトランス脂肪酸の平均摂取量はアメリカと比べて低いので閾値を超えているかどうか分からない。
実感としてそれほど危険性も感じていないし、そもそも閾値がどのへんかも分からない。

日本にはバター不足に陥っていることもあり、マーガリンの必要性が高く、そのへんの経済事情も関係しているのではないでしょうか。

そして真実はその裏に利権に絡んだ複雑な問題が関係していて。なんてことも十分に考えられます。

でなきゃ、健康の害を考えるんだったら真っ先ににタバコを禁止しているはずでしょ。

・・・そんなところだと思います。


まあ、あれでしょ。アメリカのマーガリンに含まれるトランス脂肪酸は日本のマーガリンよりも多いんじゃなかろうか。

マーガリンに限らず、ケーキでもアイスでも凄くこってりしていますもんね。

日本人から見てそんな印象を受けますよ。


(日本人にとっては塩分の方が問題かも SHIBA)