どうもSHIBAです。
本日11月16日は「幼稚園記念日」です。
1876年の今日、日本で最初の幼稚園とされる東京女子師範学校付属幼稚園が開園したことに由来します。
1876年といえば明治9年。それまで日本には就学前の保育機関がありませんでした。
1872年(明治5年)には学制が配布され、入学予備教育として「幼稚小学」を規定していましたが未設置に終わりました。
しかし、欧米の進んだ文化導入の一環として、ドイツ人のクララ・チーテルマンにより東京女子師範学校の構内に幼稚園が開設。日本への幼稚園の導入が実現されました。
これにより日本では幼児の教育施設が徐々に整備されていくわけですが、
それでも戦前の幼稚園就園率は1割程度でしかなかったそうです。
幼稚園にはお金がかかりますからね。
そんな中、戦後から保育所が国の制度に加わります。
保育所はもともと子守をしながら労働することから解放するために乳幼児を保育したり、また貧困のため親の保護を失った乳幼児を保育するための託児施設として興りました。
女子労働力を確保のためには工場内に託児施設が必要だったわけです。今でいう事業内託児所ですね。
保育所が国の制度になる前は民間や地方の独自事業だったため、
幼稚園令に基づいて営まれている幼稚園と違って保育所には法制的な定めがなく位置づけが曖昧な存在だったそうです。
そのため保育所は「ただ子どもを預かっているだけ。遊ばせているだけ」という誤解が今でもあるそうです。
幼稚園も保育所も保育理念は「健康・人間関係・環境・言葉・表現」で共通なんですけどね。
保育とは「養護」だけでなく「教育」という意味も含んで「保育」ですから・・・
どうもそれが理解されていないらしい。
昔から幼稚園と保育所の関係が議論されていましたが、一元化されないまま今日に至っています。
最近は「認定こども園」という幼稚園と保育所等のそれぞれのよいところを生かしながら、両方の役割を果たすことができる施設が、政府が力を入れている子育て支援事業として普及しようとしています(実際にはなかなか進んではいないようですが)
就学前の保育・教育施策は、海外に比べ日本はやはり今でも遅れているんでしょうね。
待機児童の課題もあるし、海外に対し胸を張れるような保育施策が確立されるにはまだまだ時間がかかりそうですね。
(子育てとは家庭の問題ではなく社会の問題 SHIBA)