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【健康】 カフェインの中毒死が話題になっている件について(前編)

どうもSHIBAです。

エナジードリンクの飲み過ぎが疑われるカフェイン中毒死が日本でも報道されました。

このような報告は日本国内では初めてだということで話題になっています。

ふだんからエナジードリンクを愛飲している人に限らず、コーヒー好きにとっても関心の高い報道だったのではないでしょうか。

今年になって「コーヒーを1日3~4杯飲む人は、ほとんど飲まない人に比べて心臓や脳血管、呼吸器の病気で死亡する危険性が4割ほど減る」という報道もあったばかり。コーヒー好きは安心してせっせとコーヒーを1日に3~4杯飲んでいたところかもしれませんね。

さてさて。

このような報道を聞けばどうしても気になるのは以下の点ではないでしょうか。

 ・カフェインは体に良いの?悪いの?
 ・カフェイン中毒って何?
 ・カフェインの致死量ってどのくらい?
 ・食品別のカフェインの含有量は?



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カフェインは体に良いの?悪いの?


そもそもカフェインは体に良いものなのか、悪いものなのか。気になりますよね。

なんといってもカフェインは交感神経を刺激します。
交感神経が刺激されることでどんな影響があるか。それを考えるとイメージしやすいかも。

ヒトの全身には交感神経と副交感神経という自律神経が分布していて、
交感神経が優位だと緊張状態、副交感神経が優位だとリラックス状態になります。

カフェインには眠気覚ましのイメージが強いのは、交感神経による覚醒作用が働くためです。

通常、食後は消化管(胃腸など)に血液が集まるため、脳の血流が悪くなり血圧が下がります(食後に眠くなるのもそのため)

これを食後低血圧といいますが、食後にカフェインを摂取することで食後低血圧を予防できます。


『【健康】 「低血圧」の入浴法 ~交感神経を刺激する~』 参照


このようにカフェインには脳の血管を収縮することで血圧を上げる作用があるんですね。

脳の血管が拡張することで起こると考えられている片頭痛には、血管を収縮させることで改善が期待できるということでカフェインは片頭痛に有効な成分とされています。

また、気管支ぜんそくにもカフェインは有効な成分と考えられています。

それは交感神経が優位になると気管支の平滑筋が弛緩され気道が確保されるからです。

交感神経が刺激されて弛緩すると聞いて何だか違和感を感じられるかもしれませんね。
緊張状態になるということは体に力が入るために血管などは収縮しますが、と同時に呼吸が大きく早くなるため喉の空気の通りを良くしなければなりません。
気管支など気道などがキュッと収縮してしまっては呼吸し辛くなってしまいますよね。だから気管支の平滑筋が弛緩され気道が拡張されるんです。


『【健康】 「気管支ぜんそく」の入浴法 ~サッと入ってサッと上がる~』 参照


ただし、腸においては刺激を与えてしまい、大腸のぜんどう運動を亢進させてしまいます。

交感神経が優位になると大腸のぜんどう運動は抑制されるのがふつうなんですが、
カフェインは刺激物なので摂取したカフェインが直接腸を刺激し、ぜんどう運動を亢進させてしまうようです。

ぜんどう運動が活発化してしまうと、便が大腸を通過する時間が早すぎてしっかり便が形成されないまま排泄されてしまうことになってしまいます。
つまり下痢気味の人にとってはカフェインを摂取すると症状が悪化してしまう可能性があるということです。


『【健康】 「下痢」の入浴法 ~腸を落ち着かせる~』 参照


カフェインが刺激するのは腸ばかりでなく腎臓をも刺激し、腎臓における血流を増やすようです。
濾過される血液が増えることで尿量が増えます。つまりカフェインには利尿作用もあるということです。


『【健康】 「過活動膀胱」の入浴法 ~下半身を冷やさない~』 参照


また、膀胱括約筋の作用を抑制しているアデノシンにカフェインが似ているため、アデノシンの働きをカフェインが妨害することで頻尿になるという説もあるようです。

アデノシンといえば脳においてはアデノシン受容体と結合することで脳の活動を低下させ眠気を誘う働きがあります。これもアデノシンの構造と類似しているカフェインがアデノシン受容体と結合することでアデノシンの作用を妨害し、これもカフェインの覚醒作用としての要因となっています。



このようにカフェインは体に良いか悪いかなどとは一概に言えず、
身体の各組織を刺激する成分だということ。
主なところでは交感神経を刺激することによる影響が大きいといえます。

まとめるとカフェインの作用としては覚醒作用の他に、脳血管の収縮力増大心筋の収縮力増大気管支平滑筋の弛緩腸のぜんどう運動の亢進などがあります。


『【健康】 カフェインの中毒死が話題になっている件について(後編) 』 へ続く

(続きは次回 SHIBA)