寒い冬には最適。陳皮はみかんの皮を乾燥させた生薬の一種です。
みかんは栄養価の高い果物ですが、実の部分よりも可食部分ではない果皮の方が体に良い成分を豊富に含んでいます。
リモネンなどの精油成分、気管支を拡張させのどの調子を良くするシネフィリン、毛細血管を丈夫にして冷え性や血圧を下げたり胃に働いて消化不良を改善するへスぺリジンなど多岐にわたります。
『【健康】 「みかんは風邪予防に良い」と言われる理由』 参照
これらの効能がいろんな漢方薬で利用されています。
例えば「二陳湯(にちんとう)」は胃の不快感、嘔吐、二日酔いを改善する他、痰を取る効果があるのは陳皮が持つ作用によるものです。
また、胃を活発にさせて消化不良の状態を改善する「平胃散(へいいさん)」にも陳皮が含まれています。
そんなわけですから、みかんを食べた時に皮を捨てるのはもったいない話で、
これを利用してみかん風呂にすると良いですよ。
「みかんを食べると体を冷やす」なんて言葉がありますけど、あれは実を食べた場合の話であって、みかんの皮にはへスぺリジンという逆に体を温める作用のある成分が含まれていますから入浴剤として相応しいんですね。
精油成分が湯の水面に膜を張り、温度を保つという利点もあるので寒い日にはピッタリなんです。
これはゆず風呂でも同じことが言え、冬至にゆず風呂へ入る習慣は理に適っているわけです。
『【健康】 冬至にゆず湯へ入るのは理に適っている』 参照
さて、実際にみかん風呂を家庭で楽しむためには、みかんの皮を15~20個分くらい使用すれば十分かと。
陰干しで乾燥させてハサミで小さく切って目の細かい洗濯ネットに入れて浴槽に浮かべるだけ。
別に乾燥させなくても大丈夫です。
お湯にしばらく浸けこんでおくと意外と色も入浴剤並みに出ますし、入浴剤とは違う本物のみかんの香りがしますよ(当たり前か)
みかん風呂は、へスぺリジンの血流改善作用によって冷え性や肩こり、腰痛に効果が期待され、シネフィリンの鎮咳作用も加わって風邪にも良いと考えられています。
それ以前にみかんの香りによるリラックス効果が高いので普通に楽しめます。