どうもSHIBAです。
国立がん研究センターの予防研究グループによる「糖尿病と自殺および事故のリスク」についての研究結果が論文にて発表されました。
うつ病は自殺の危険因子だということはよく知られています。そこでうつ病と関連があると言われている糖尿病もまた自殺の危険因子となりえるという仮説が成り立ちます。
また、仮説が正しければうつによる事故死も自殺のように心理的要因が関係していることから糖尿病と事故の関連性も高い可能性が出てきます。
今回の調査結果はこれらの仮説を裏付けるものとなったようです。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3786.html
糖尿病と自殺および事故による死亡との関連について
以下抜粋
ここから—–
研究開始時点で行ったアンケート調査に回答した方々のうち今回の解析の対象となった約105,000人中、約4,900人が研究開始時点で糖尿病になったことがある(医師から糖尿病と診断されたことがある)と回答しました。研究開始時点で糖尿病になったことがあると回答したグループでは、113人(自殺41人、事故72人)が自殺または事故により亡くなりました。一方、糖尿病になっていないグループでは1,304人(自殺577人、事故727人)が自殺または事故により亡くなりました。
解析の結果、糖尿病になっていないグループに対する、糖尿病になったことがあるグループの自殺・事故全体のリスクは、40~49歳では約2倍、50~59歳では約1.4倍でした。一方、60歳以上では、糖尿病になったことがあるグループの自殺・事故全体のリスクと、糖尿病になっていないグループのリスクとの間に統計学的な差はみられませんでした。事故のみでみた場合にも、60歳以上では、糖尿病になったことがあるグループの事故のリスクと、糖尿病になっていないグループのリスクとの間に統計学的な差はみられませんでした。一方、自殺のみでみた場合には、どの年齢層でも糖尿病になったことがあるグループとなっていないグループのリスクの間に統計学的な差はみられませんでした。
—–ここまで
この傾向から見えてくるのは、糖尿病は糖尿病でも若い人ほど自殺や事故との関連性が高いということ。
糖尿病による日常生活の不都合、例えば目が見えにくくなったり疲れやすくなったり、あるいは人工透析や食事の制限などが大きなストレスになっている可能性が示唆されています。
それにしても糖尿病の何が嫌かって、その合併症の多さもさることながら、自殺や事故のリスクも高まるとなれば、ますます侮れない疾患といえますね。
(SHIBA)