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【健康】 入浴に「認知症」予防の効果があるかもしれない3つの理由


毎日お風呂に入りたくなるお話を一つ・・・

入浴には清潔を保つ、疲労を回復する、ストレスを解消する、温まるなど様々な効果がありますが、
認知症の予防効果もあると聞いたら積極的にお風呂に入りたくなりませんか?

医学的に証明されているわけではありませんので、あくまでも可能性の話ですが、
それでも入浴には認知症の予防に一役買いそうな根拠が存在します。

そもそも、浴槽に浸かるという入浴習慣は欧米では一般的ではないので、入浴における認知症予防の可能性への関心度は低く、海外ではあまり研究されていないように思います。
今後、入浴と認知症の関係が明らかになるのではないかと期待しています。


さて。

入浴が認知症の予防に効果があるかもしれないその理由ですが、大きく3つ考えられます。

1.脳の血流が促進される
2.アセチルコリンが分泌される
3.身だしなみへの意識向上


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1.脳への血流が促進される


入浴による血行促進によって脳への血流が良くなります。

全身の細胞に栄養や酸素は血管を通じて運ばれますので、脳の細胞を健康を保つには血行促進が欠かせません。

脳の機能が低下している部分は、脳の血流が低下していることが認められており、認知症と血流の関係は重要な要素となります。

また、入浴と睡眠はセットで考えられることが多く、入浴によってリラックスすると副交感神経が優位となり血管が拡張して血行促進しますが、その状態で入眠しますと質の高い睡眠が得られます。

質の高い睡眠とは睡眠中の血流が良い状態で、全身の細胞のダメージを修復したり、脳内に蓄積された認知症の原因物質アミロイドβもスムーズに排出します。

逆に睡眠不足の状態だと、アミロイドβの量を増やしてしまいアルツハイマー病の原因となるので、しっかりと入浴から睡眠へと繋げる習慣を身に付けたいものです。



2.アセチルコリンが分泌される


アセチルコリンとは神経伝達物質のひとつで、脳内のアセチルコリンの量が不足すると神経間の伝達が悪くなり脳の機能が低下すると考えられています。

実際、アルツハイマー型認知症患者においてはアセチルコリン濃度の減少が確認されています。

そのため、アセチルコリンの量を増やせばアルツハイマー型認知症を予防できるのでは?と考えることができます。

しかし食事によってアセチルコリンを作る物質を摂取することもできるのですが、補給によってアセチルコリンを増やしてもすぐに分解されてしまうため、アセチルコリンの量を増やすよりも活性化させることの方が効果があると考えられます。

治療としてはアセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害する薬が使用されています。
アセチルコリンを補給しても分解されてしまっては意味がないので、分解酵素を阻害して結果として量を増やそうというわけです。


また、アルツハイマー型認知症患者においてはアセチルコリンの分泌が低下していると考えられています。

アルツハイマー型認知症患者の脳内のアセチルコリン濃度が低いのは、アセチルコリンの量が少ないのではなくて分泌量が不足しているためにすぐ分解されてしまい、結果として濃度が減少していると考えることができます。

つまり、アセチルコリンは量を増やしても分泌量が少ない場合は簡単に分解酵素によって分解されてしまうと・・・


このようなことから、アセチルコリンの分泌を活性化させることが脳の機能低下を予防したり遅らせたりする方法だと考えることができます。


さて、そのアセチルコリンの分泌が活性化されるのは、言うまでもなく副交感神経が優位なとき。

そういうわけでここでも入浴時や睡眠時が該当します。

お風呂に入ってリラックスすることは、アセチルコリンの分泌を促し、脳機能を維持することでもあるとすれば、入浴に対する見方も変わりそうですね。



3.身だしなみへの意識向上


認知症患者の特徴として、入浴拒否があります。

お風呂に入るのを嫌がってしばしば介護者を困らせます。

これは、入浴や着替えをしなくても平気でいたりする身だしなみへの無関心が原因です。

認知症になると日常の活動や身の回りのことに興味をなくしてしまったりします。

そのため風呂に入って清潔を保たなければならないという気持ちがなく、風呂に入らなくても着替えをしなくても平気になってしまうんですね。


逆に言えば、ふだんから入浴同様、髪型や服装、メイクなどに気を使うことも意識すれば自己身辺への無関心化を防ぐことになりそうです。

「少しくらい汗をかいていても風呂に入らなくたって平気だわい」なんて思っていると脳機能低下の進行が早くなるかもしれませんよ。