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2015年07月08日

【健康】 「カプサイシン(辛味成分)で脂肪燃焼」は本当だった

どうもSHIBAです。

辛い物を食べるとその刺激から汗を掻いたりして、代謝が良くなったような気がして、
いかにも脂肪が燃焼しているようなイメージをふだんから何気に感じている人は多いのではないでしょうか。

実はそのイメージ、本当のようです。

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唐辛子で痛みを感じる辛味成分のカプサイシン

このカプサイシンが、感覚神経を刺激することで辛味を感じることは古くから知られているとのことですが。

感覚細胞が受けた刺激が副腎髄質に送られ、副腎髄質からカテコールアミンが盛んに分泌されるようなのです。

カテコールアミンとはアドレナリンなどのホルモンのこと。


ここでちょっと脂肪が燃焼されるしくみをおさらいしましょうか。

カプサイシン[1].jpeg

脂肪細胞に蓄積されている脂肪酸が燃焼されるには、カテコールアミンが脂肪細胞の表面に局在するアドレナリン受容体と結合する必要があります。
この結合で脂肪酸を分解する作用が活性化されます。
つまりカテコールアミンとアドレナリン受容体の結合が、脂肪酸を燃焼するためのシグナル伝達になっているわけです。

なのでこの結合がなければ脂肪燃焼は行われません。
もっと言えば、カテコールアミンが分泌されないことには結合すらできません。

『【健康】 分かっているようで知らない「甘いものを食べると太るワケ」』 参照

で、

カテコールアミンが分泌されるための条件は
 ・低血糖時
 ・運動時


通常はこのどちらかでカテコールアミンは分泌されます。

血糖値が下がっている時や、運動時にはエネルギー源が不足する可能性があります。

血糖が低いとエネルギーを必要とする細胞組織にエネルギー源となる糖を供給することができませんから、
そのためカテコールアミンは、体内に蓄積されている糖を血管に放出し、血糖の濃度を上げる働きがあります。
と同時に、脂肪細胞の脂肪酸なども糖の代わりのエネルギー源となりますから、これを利用するために脂肪細胞を刺激します。

運動時などは特にエネルギー源が必要です。


しかし、どうやらカプサイシンによるカテコールアミン分泌は、このどちらの条件(低血糖時・運動時)に関係なく行われるようなのです。

ラットでの実験では、摂取したカプサイシンが、副腎髄質からのカテコールアミン(アドレナリンなど)の分泌を促進し、肝臓や体脂肪組織上のアドレナリン受容体に作用し、結果として血中にエネルギー源となる糖や脂肪酸を動員してエネルギー代謝を促進することが明らかになっています。

これはヒトにおいても起こることが最近の研究では報告されているそうです。


これはよくよく考えると凄いことなんですよ。

体脂肪はふつう、エネルギー源が足りている時は燃焼しないもんなんですよ。

しかしカプサイシンを摂取すると、お腹が満たされていなくても体を動かしていなくても脂肪が燃焼されるわけですからね。


ここで興味深いのは、エネルギーを必要としていないのにカプサイシンによって作り出されたエネルギーは一体何に利用されているのか?エネルギーの無駄使いなのでは?ということですが。

ヒトの熱効率(エネルギーの利用率)は上手くできたものでしてね。
例えば自動車の熱効率30%、太陽電池の変換効率20%と言われていますが、
人の場合は活動に使われなかったエネルギーは体温の維持に使われているとのことで実質100%利用しているんですよ。

ということは、カプサイシンによる代謝は、単に熱産生に利用されていると。

だから唐辛子を食べると身体が熱くなるんですね。

あの熱の一部は脂肪の燃焼によるものだったとは・・・


ちなみに上記の作用は、他の辛味成分ではコショウのピペリン、ショウガのジンゲロンでも同様の結果が得られるそうです。


まあ、このような辛味成分の摂取による熱産生は食事誘発性熱産生のひとつとも解釈できるわけですが。

『【美容】 肥満を招く意外な3つの習慣(後編)』 参照


それでもダイレクトに脂肪を燃焼する作用があるというのは面白いですね。

辛味成分にはまだまだ分からないことがあるそうなので、今後の研究に期待です。


(好きな人の前で赤くなるのもアドレナリン SHIBA)