【健康】 1型糖尿病患者の苦悩を理解する
どうもSHIBAです。
今や糖尿病は国民病と呼ばれるほどに、身近な存在となっていますが、
その「国民病」との表現は2型の糖尿病のことを指しています。
そのため、広く理解されている糖尿病に関する情報は2型のものであり、
それ故に1型糖尿病患者は多くの誤解を受けているのが現状です。
1型は2型とは違い、生活習慣の乱れが原因で発症するわけではありません。
『【健康】 1型糖尿病ってどんな病気?』 参照
しかし、「糖尿病 = 生活習慣病」との認識が常識となっているため、
自分に非があるかのように誤解される可能性があります。
特に気になるのは小児の1型糖尿病です。
1型は子供の時に多く発症するようです。
そのため、学校では他の子とは違い、校内でインスリン注射や血糖測定を行わなければならなかったり、運動の前後に補食をしなければならなかったりと、学校側の理解と協力が必要になってきます。
インスリン注射は1日4回が基本ですから、校内でも注射しなければなりません。
常に血糖をコントロールしなければならないからです。
血糖のコントロールで特に注意しなければならないのは低血糖。
「糖尿病なのになぜ低血糖?」と思われるかもしれませんが、
インスリンが効きすぎて低血糖になる場合があるからです。
低血糖は高血糖よりも緊急性が高いので注意が必要なのです。
まず低血糖になると、通常はインスリンとは真逆の作用をもたらすホルモン(グルカゴンやカテコールアミンなど)が分泌されます(インスリン拮抗ホルモン)
これらは交感神経を刺激しますので、発汗や動悸、ふるえなどを引き起こします。
さらに血糖が低くなると、脳や神経に障害が出てきます。
脳や神経などの中枢神経は、基本的にブドウ糖のみをエネルギー源として利用しています。
なので低血糖状態が続くと脳や神経細胞の代謝ができず、
頭痛や目のかすみ、酷くなるとけいれんや昏睡に発展します。最悪は死に至ることも。
そのため、低血糖になった場合は、吸収の速い糖質を摂取しなければならないんです。
運動はより多くの糖を消費しますから、低血糖を防ぐため事前に補食する必要が出てくるのはそのためです。
このような事情を考慮すると、校内での注射の場所や補食の場所には学校側の配慮が必要です。
どうしても患者本人は周りの目を気にするでしょうから。
それでも低血糖になった場合、例えば授業中にお菓子などを食べなければいけないことも出てきますから、そんな場合の対処方法について学校側も求められます。
病気のことで子供がいじめに合うことはいくらでも考えられます。
だからこそ少しでも周りの理解や協力が得られるような環境が患者には必要とされます。
1型は生活習慣病と勘違いされないように「糖尿病」ではなく別の病名に変えればいいのにね・・・
(なぜ難病指定しないんだろう SHIBA)
【健康】 1型糖尿病ってどんな糖尿病?
どうもSHIBAです。
糖尿病にはご存知のとおり、主に1型と2型に分類されます。
糖尿病患者の多くは生活習慣が原因で発症する2型糖尿病。
肥満や運動不足、ストレスなどをきっかけに発症。
インスリンの出が弱くなったり、効きが悪くなるのが2型糖尿病の特徴です。
というわけで、メディアやネットで流れている糖尿病の情報は、2型に関するものが中心になっています。
そのため糖尿病に対する多少の見識を持っている人でも、意外と1型のことは知らないもの。
だから1型糖尿病患者に対し、つい「甘い物ばかり食べているからだよ」などと間違ったアドバイスをしてしまいがち。
糖尿病患者の中には1型の方も一定数いらっしゃるわけですからね。
そうとは知らず「生活習慣を正しなさい」と上から目線で相手を傷つけてしまうことになりかねません(そもそも本人は健常者よりも糖尿病に対して理解しているもの)
1型はすい臓のβ細胞が80%以上壊れてしまったために発症する糖尿病です。
インスリンはβ細胞から分泌されるので、β細胞が破壊されると分泌できなくなります。
このように、1型糖尿病はインスリンの分泌が極度に低下、あるいは全く分泌されない状況なのでインスリン注射が必須になってきます(インスリン依存状態)
主にインスリンの効きが悪くなる2型とは違い、インスリンさえ足りていれば血糖値を下げることができるのでインスリン注射が有効な手段になるんですね。
1型の問題は、なぜβ細胞が破壊されるのか?ということになるんですが、
実ははっきりと解明されていないのが現状です。
分かっているのは、1型患者の多くがすい臓に特定のタイプのHLA(白血球についている抗原)を持っていて、
このHLAがウイルス感染を起こすと免疫細胞が反応し、すい臓を攻撃してしまうようです。
ウイルスに感染された者は敵とみなされるわけですね(自己免疫反応)
これによってβ細胞が破壊されるのではないか、と言われています。
そのため、放っておくと「ケトアシドーシス」に陥るので注意が必要になります。
ケトアシドーシスとは、ケトン体が血中に増え、血液が酸性化した状態。
ではケトン体とは何か?といえば、
インスリンが不足すると、細胞がブドウ糖をエネルギー源として取り込めなくなりますよね。
そこで代替えのエネルギー源として脂肪細胞の脂肪酸を分解してエネルギー源として利用しようとします。
この時に脂肪酸の分解が起こった時結果、ケトン体を生じます。
ケトン体は酸性なので、ケトン体が増えると血中が酸性に傾きます。これがケトアシドーシス。
体液が酸性に傾いているので、体内の酸の濃度を下げるため、CO2を呼気で大量に排出しようと呼吸が大きくなります。
また、インスリンが不足しているために細胞へ取り込まれないブドウ糖が血中に溢れます。
血中の糖濃度が増している状態になるので、水分を補給して糖の濃度を薄めようと喉が渇く傾向にあります。
このようなことから、
1型糖尿病を発症する人は、急に痩せる、呼吸が大きくなる、喉が渇きが酷くなるなどの前触れがあるのが特徴と考えられています。
もし1型だった場合、放っておくとケトアシドーシスが進み、昏睡状態となり命の危険に繋がりますので、早期治療が重要になってきます。
(血糖を上げるホルモンはいっぱいあるのに下げるのはインスリンのみって… SHIBA)