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健康・入浴法

【健康】 カルシウム不足と高血圧の意外な関係

カルシウムと言えば骨、というイメージが強いですが、いろんな生理作用に役立っているミネラルです。

「Ca」と書いてカルシウム。 キャビンアテンダントではない!

かくいう自分は「JK」を「ジョン・カビラ」の略だと思っていた、どうもSHIBAです。

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カルシウムには人体にとって「構成成分」と「機能成分」の役割を果たしています。

体内のカルシウムのうち99%は、骨や歯の構成成分となっています。
残り1%は血液や組織中にカルシウムイオン(機能成分)として存在し、血液の凝固筋肉の収縮神経刺激の伝達などに作用しています。

よくイライラしている時に「カルシウム不足」だと言われるのは、カルシウムイオンによる神経伝達作用が上手く働いていないからなんです。

そして意外と思われるかもしれませんが、カルシウム不足は高血圧とも関係しています。


高血圧の要因として、血管が収縮し血管内腔が狭くなった状態があります。

血管の壁は平滑筋という筋肉で構成されています。

平滑筋は、骨格筋を形成している横紋筋と違って、自分の意志で自由に動かすことが出来ません。

平滑筋は自律神経の支配下にあり、自分の意思とは関係なく働いています。

血管は平滑筋の収縮や伸びによって内腔を広くしたり狭くしたりしてポンプのように血液を送り出しているわけです。

平滑筋が収縮するためには、その細胞の中にカルシウムが入らなければなりません。

カルシウムが入り込むことによって、筋肉の繊維の形が変わり収縮することになります。

そう、血中カルシウムの機能成分としての役割には「筋肉の収縮」があるわけです。

逆に筋肉細胞の中のカルシウムが外に出ることによって弛緩します。

カルシウムを細胞の外に出すのはマグネシウムの役割で、カルシウムとマグネシウムは拮抗した関係にあります。

この2つのミネラルが入れ替わるたびに血管が収縮したり弛緩したりしているんですね。

なのでカルシウムとマグネシウムの濃度差が保たれることで正常な血圧を維持できるわけです。

このバランスが何らかの理由で乱れた場合、
特に血中カルシウムの濃度が高くなり過ぎて、平滑筋を収縮した状態が続くことで高血圧の原因となるんです。


さて。

血圧を下げる、いわゆる降圧剤には「カルシウム拮抗剤」があります。

高血圧患者は血管の平滑筋細胞内のカルシウム濃度が、血圧正常者と比べると高い傾向にあります。

カルシウム拮抗剤は、カルシウムが細胞内に入っていかないようにして血圧を下げようというものです。

名前こそ拮抗剤ですが、効果としては抑制剤としての作用があります。


なぜ血中カルシウムの濃度が高くなるのか。

その原因のひとつに考えられているのがカルシウム不足です。

カルシウムの摂取が不足すると、骨からカルシウムが取り出されます。

血中のカルシウム濃度を正常に戻すために骨から血管に溶け出すんですね。


普通に考えれば、カルシウムが不足すればカルシウムの血中濃度が低くなりそうな気がするかもしれませんが、実は逆で、血液に溶け出したカルシウムが増えすぎてしまい、結果として高血圧に繋がるんです。

この一見矛盾した現象を「カルシウムパラドックス」と言います。

※カルシウムパラドックスには「カルシウムの摂取が逆に骨を弱くする」という別の意味もあります。


カルシウムが血管壁に入り込んだ状態、もしくは付着した状態が続くと、そのうち石灰化してしまい動脈硬化となります。


このことからも高血圧の場合は積極的にカルシウムを摂取した方が良さそうです。

もちろん、それで高血圧が改善されるとは限りませんが・・・


少なくとも、血中カルシウム濃度が高いからといって、カルシウムの摂取を抑える必要はありません。

※ただし、カルシウムのサプリは止めた方が良いらしい。食事由来のカルシウムと違ってイオン化されているので骨の成分とはならないようです。つまり、血中カルシウム濃度を上げるおそれがあります。


(あ、マグネシウムの摂取もね SHIBA)
 

【健康】 「カプサイシン(辛味成分)で脂肪燃焼」は本当だった

どうもSHIBAです。

辛い物を食べるとその刺激から汗を掻いたりして、代謝が良くなったような気がして、
いかにも脂肪が燃焼しているようなイメージをふだんから何気に感じている人は多いのではないでしょうか。

実はそのイメージ、本当のようです。

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唐辛子で痛みを感じる辛味成分のカプサイシン

このカプサイシンが、感覚神経を刺激することで辛味を感じることは古くから知られているとのことですが。

感覚細胞が受けた刺激が副腎髄質に送られ、副腎髄質からカテコールアミンが盛んに分泌されるようなのです。

カテコールアミンとはアドレナリンなどのホルモンのこと。


ここでちょっと脂肪が燃焼されるしくみをおさらいしましょうか。

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脂肪細胞に蓄積されている脂肪酸が燃焼されるには、カテコールアミンが脂肪細胞の表面に局在するアドレナリン受容体と結合する必要があります。
この結合で脂肪酸を分解する作用が活性化されます。
つまりカテコールアミンとアドレナリン受容体の結合が、脂肪酸を燃焼するためのシグナル伝達になっているわけです。

なのでこの結合がなければ脂肪燃焼は行われません。
もっと言えば、カテコールアミンが分泌されないことには結合すらできません。

『【健康】 分かっているようで知らない「甘いものを食べると太るワケ」』 参照

で、

カテコールアミンが分泌されるための条件は
 ・低血糖時
 ・運動時


通常はこのどちらかでカテコールアミンは分泌されます。

血糖値が下がっている時や、運動時にはエネルギー源が不足する可能性があります。

血糖が低いとエネルギーを必要とする細胞組織にエネルギー源となる糖を供給することができませんから、
そのためカテコールアミンは、体内に蓄積されている糖を血管に放出し、血糖の濃度を上げる働きがあります。
と同時に、脂肪細胞の脂肪酸なども糖の代わりのエネルギー源となりますから、これを利用するために脂肪細胞を刺激します。

運動時などは特にエネルギー源が必要です。


しかし、どうやらカプサイシンによるカテコールアミン分泌は、このどちらの条件(低血糖時・運動時)に関係なく行われるようなのです。

ラットでの実験では、摂取したカプサイシンが、副腎髄質からのカテコールアミン(アドレナリンなど)の分泌を促進し、肝臓や体脂肪組織上のアドレナリン受容体に作用し、結果として血中にエネルギー源となる糖や脂肪酸を動員してエネルギー代謝を促進することが明らかになっています。

これはヒトにおいても起こることが最近の研究では報告されているそうです。


これはよくよく考えると凄いことなんですよ。

体脂肪はふつう、エネルギー源が足りている時は燃焼しないもんなんですよ。

しかしカプサイシンを摂取すると、お腹が満たされていなくても体を動かしていなくても脂肪が燃焼されるわけですからね。


ここで興味深いのは、エネルギーを必要としていないのにカプサイシンによって作り出されたエネルギーは一体何に利用されているのか?エネルギーの無駄使いなのでは?ということですが。

ヒトの熱効率(エネルギーの利用率)は上手くできたものでしてね。
例えば自動車の熱効率30%、太陽電池の変換効率20%と言われていますが、
人の場合は活動に使われなかったエネルギーは体温の維持に使われているとのことで実質100%利用しているんですよ。

ということは、カプサイシンによる代謝は、単に熱産生に利用されていると。

だから唐辛子を食べると身体が熱くなるんですね。

あの熱の一部は脂肪の燃焼によるものだったとは・・・


ちなみに上記の作用は、他の辛味成分ではコショウのピペリン、ショウガのジンゲロンでも同様の結果が得られるそうです。


まあ、このような辛味成分の摂取による熱産生は食事誘発性熱産生のひとつとも解釈できるわけですが。

『【美容】 肥満を招く意外な3つの習慣(後編)』 参照


それでもダイレクトに脂肪を燃焼する作用があるというのは面白いですね。

辛味成分にはまだまだ分からないことがあるそうなので、今後の研究に期待です。


(好きな人の前で赤くなるのもアドレナリン SHIBA)

【健康】 分かっているようで知らない「甘いものを食べると太るワケ」

どうもSHIBAです。

甘いものを食べると太るのは、誰しもが持っている共通認識ですよね。

太るとは脂肪細胞が増えること。

しかし「なぜ甘いものを食べて脂肪が増えるのか?」と問われると、これが上手く答えられない人が多い。

確かに、それもそのはず。

例えば
「甘いものを食べると糖尿病になる」や
「脂っこいものを食べると脂肪がつきやすい」
というのならイメージしやすい。

でも糖質と脂肪は違うから直接的な関係はなさそうに思えます。

甘いものが太る理由については「インスリンの役割」と「相反するホルモンの関係」を理解すると、すごく腑に落ちるかと思います。

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①インスリンの役割

ご存知、インスリンはすい臓から分泌されるホルモン。
上がった血糖値を下げて一定の血糖値を保つ役割があります。

食後、血糖値が上がるとインスリンが分泌され肝臓や筋肉の細胞に血糖を取り込ませて血糖値を下げてくれるんですが、インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれています。

というのは、糖の摂り込みばかりでなく、タンパク質や脂質の合成も同時に行っているからです。

タンパク質や脂質は糖に代わるエネルギー源として必要な栄養素。

エネルギー源として糖が枯渇した場合は、タンパク質や脂質などが「糖新生」によって糖に変換されエネルギー源として利用されています。

これは飢餓状態や摂取できる栄養素が少ない状況でもエネルギー不足にならないよう、人類が生存するためのメカニズムなんですね。

インスリンは血糖値を調整するだけでなく、エネルギー源を蓄える役割も担っているわけです。

なので、インスリンが働いている時は、糖新生は行われません。


②相反するホルモンの関係

食後2時間以上経つと、血糖値は元の空腹時の値まで減少しますが、体内における糖の利用は続きます。
代謝は常に行われており、エネルギー源は消費されています。

血中の糖が減少すればするほど血糖値はどんどん下がり続けるはず。
それでも一定の血糖値を保っているのはカテコールアミン(アドレナリンなど)やグルカゴン、成長ホルモンなど血糖を上げるいくつかのホルモンが分泌されているためです。

副腎から分泌されるこれらのホルモンは、血糖値を上げて一定の血糖値を保つ役割があります(インスリンと逆の作用)

血糖が少なくなると、肝臓から蓄えられていた糖を血中へ放出し、筋肉や脳でエネルギー源として利用します。

さらに肝臓から放出できる糖が枯渇すると、今度はタンパク質や脂質など糖以外の物質が分解されてグルコース(ブドウ糖)を作ります(これが糖新生)



つまり、

 <食後> 血糖値があがる
 インスリン・・・血糖値を下げ、エネルギー源を貯蓄するためのホルモン

 <食間(空腹時)> 血糖値が下がる
 カテコールアミンなど・・・血糖値を上げ、エネルギー源を消費するためのホルモン



さて。

ここまでの説明で「甘いものを食べると太る」理由が見えてきましたでしょうか。

糖質の摂取 → 血糖値の上昇 → インスリンの分泌 → 中性脂肪の貯蓄、及び分解の抑制



ヒトが太る(肥満になる)のは、中性脂肪が増加することにあるが、
それは摂り過ぎが原因であることよりも消費されないことの方が重要なんです。

摂取した分だけ消費すれば体脂肪は増加しません。

しかし甘いものをたくさん摂取するとインスリンの働く時間が長くなり、その間は体脂肪の分解は抑制されていますから脂肪細胞は増えるばかりです。

間食が多い人はなおさらです。

甘いものを食べると太るのは、脂肪が蓄積されることもそうですが、それ以上に脂肪細胞内の中性脂肪が消費されないことが太る最大の要因かと思われます。


ちなみに脂肪細胞が増大すると、インスリンの効きを阻害するTNF-α(ティーエヌエフアルファ)という悪玉アディポサイトカインが分泌され高血糖を招く要因となります。

さらに、肥満状態で脂肪細胞内に大量の中性脂肪が存在すると、その一部は分解を受けて常時脂肪酸が血液中へと放出されます。
この場合の脂肪酸は、エネルギー源としてどこかで利用されるわけではないので、意味もなく血中に留まり血中の脂肪酸濃度が高くなります。
血中の脂肪酸濃度が高くなることも、インスリンの効きを低下させる原因となることが分かっています。

この状態が続くと、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病へと繋がりますからね。
肥満が糖尿病を招くのはこうした理由によります。


そういうわけで、インスリンが働けば働くほど、血糖値は抑えられるが肥満の原因になってしまうことが分かります(ただし肥満状態が続けばインスリンが効かなくなる)

なので肥満を防止するには、インスリンとカテコールアミンなどの分泌のバランスが重要になってきます。

決して「インスリンを分泌させなければいいんだ」と勘違いして極端な糖質制限をしようとは思わないように。

『【美容】 ケトン体ダイエットは大丈夫か』 参照

重ねて言いますが、糖質は摂り過ぎても摂らなさ過ぎても問題だということ。


また、ダイエットに運動が有効とされるのは、運動によるカテコールアミンなどの刺激により、中性脂肪が分解されてエネルギー源として利用されやすくなるからです。


– – – – –  ここから先は読まなくても大丈夫 – – – – –


ちょっと学術的なことを言いますとね

脂肪細胞内の中性脂肪は、通常はその表面をペリリピンというタンパク質が覆っていて、
脂肪を分解する酵素(リパーゼ)の攻撃から防ぎ、脂肪細胞の蓄積を促進しています。

しかし空腹時など脂肪がエネルギーとして必要になった場合(エネルギー枯渇時)、アドレナリンなどのカテコールアミンが脂肪細胞表面の「アドレナリン受容体」に結合し、細胞内の「cAMP」濃度を上昇させ、その結果「プロテインキナーゼA」を活性化させます。

※「○○キナーゼ」のキナーゼとはターゲット分子をリン酸化させる酵素のこと

このキナーゼにより、ペリリピン分子の複数箇所がリン酸化します。

ペリリピンはそれまで強固にリパーゼの分解作用から中性脂肪を守っていたのに、リン酸化によってリパーゼの分解作用を許してしまいます。
この結果、中性脂肪はリパーゼの分解を受けて血中に流れ出して運ばれます。
そして運ばれた先でエネルギー源として使用されるんですね。


つまり、全てはカテコールアミンがアドレナリン受容体と結合するところから始まっているので、
逆に言えばアドレナリン受容体が活性化されない限り体脂肪は減らないことになります。
そのため、アドレナリン受容体遺伝子に変異があると、カテコールアミンの作用が脂肪細胞内に伝達されず肥満になりやすいと言われています。


(インスリンは悪者ではない SHIBA)

【健康】 えっ?汗を掻いていなくても熱中症?

我慢できず荒ぶる感情。

激しい息づかい。

飛び散る汗!

裸と裸のぶつかり合い


え?なに想像してるんですか?

祭りですよ祭り・・・

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どうもSHIBAです。

本来、汗っかきは見ていても暑苦しく、汗を掻かない人は涼しげなイメージがありますが・・・

実は、暑いのに汗を掻かない人はかなり危険。

そもそも汗はなんのために掻くのか。

理由は簡単。
汗を掻く一番の理由は「体温調節」のため

運動や暑さによって熱がこもると、体温が維持できなくなるので発汗して放熱しています。

汗を上手に掻いて体温調節している動物はヒトやウマなどごく一部。
イヌやネコは肉球にしか汗腺を持っていません(舌を出して体温調節している)

なので、汗をなかなか掻けない人は、熱を外に逃がすことが出来ず、体温も上昇してめまいや吐き気、頭痛などを引き起しやすいと言われています。
酷くなると意識障害なども。

高齢者に多い症状ですね。

人間は加齢と共に代謝が悪くなりますでしょ。汗を掻きにくい身体になるわけですよ。

しかも高齢者は体内の水分量はもともと少ないときたもんです。
なのに水分摂取量も若者より少ない。

そのうえ、そんな状況でも暑さ、寒さを感じにくい体質なもんだから、
本人も気付かないうちに体温調節のバランスが乱れてしまうんですね。

困ったことに、そんな人に限ってエアコンとか嫌いとか言い出す・・・

だから熱中症の多くは室内、それも高齢者が一番多く、その中にはこのようなケースも多いわけです。


これは熱中症の中でも「熱射病」の類に分類される症状で、水分の補給以上に体を冷やすことが優先されます。

それも、氷水などを身体に当てるよりも、全身に水をかけて扇いだりした方が良いとのこと。
つまり体の一部を冷やすのではなく、全身から気化熱を奪い熱を下げることが重要になります。


一方、

汗は掻いているんだけど、それとは気付かず、知らないうちに脱水症状を引き起こして熱中症になる場合もあります。

「かくれ脱水」とも言われていますが、これは見た目に汗を掻いていないように見えるため本人も気付きにくいのが特徴です。

所ジョージさんが熱中症になったのはこのパターンじゃなかったっけ?

何かに熱中していると脱水していることに気付かず、気付いた時には重症化していることが多いそうですよ。
スッゴイですね~(所さん風に)

この時、水分補給だけではなく塩分補給も忘れないで下さいね。

『【健康】 えっ?水分の摂り過ぎで熱中症?』 参照



また、

海やプールも実は危険

水の中にいれば熱中症にならないような気がするかもしれませんが、
たっぷり汗を掻いていても自覚しづらいものです。

気が付けば脱水状態にならぬよう、水分補給を忘れずにしなければなりません。

また、うっかりプールの水を飲んでしまうとプール熱にかかる場合もあります。

『【健康】  プール熱にご用心』 参照


ましてや海は紫外線による疲労も加わりますから、熱中症のリスクは高くなります。

『【健康】 暑さと紫外線による疲れにご注意を!』 参照


このように、

汗を掻くことはとても大切なこと。

問題は水分や塩分の補給をしっかり行うこと。

汗を掻かないのは体温調節が出来ないので問題です。

「わたくし汗を掻きませんの。汗掻きって暑苦しくて嫌ですわ」

なんて言おうものなら恥を掻きますよ。

掻くのは汗だけにしましょうよ。


(節電も時と場合によりますね SHIBA)

【健康】 えっ?水分の摂り過ぎで熱中症?

どうもSHIBAです。

いきなりですが、水分の摂り過ぎが場合によっては熱中症の原因になるって聞いたことありますでしょうか。

はぁぁ?頭おかしいんじゃねえの?

と思われるかもしれませんが、痙攣することもあるんですって。

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ひとくちに熱中症といっても、いくつかの症状があります。

その中のひとつに「熱けいれん」というのがあってですね。

これは塩分の不足が引き起こす熱中症です。

ちなみに、よく似た名前の「熱性けいれん」とは違います(小児に多い症状)

熱けいれんの原因は、大量の発汗後に水分だけを補給して、塩分やミネラルが不足した場合に発生すると言われています。

突然痙攣を起こすことのある症状ですが、体温は正常であることが多く、水分もしっかり摂っているので、これが熱中症だとは気付きにくいかもしれません。


しかしなぜ水分は足りているのに塩分が不足するだけで痙攣しちゃうんでしょうか。

確かに熱中症対策として水分だけではなく「塩分も補給しましょう」と言われていますよね。


この謎を理解するには、水と塩分の関係を知る必要があります。

塩分はナトリウムとして身体には必要な成分です。

電解質という言葉を聞いたことがあるでしょう。電解質は電気を通すという意味で、ナトリウムは電解質として筋肉の収縮や神経の伝達などの働きをしています

体内には一定のナトリウム濃度が保たれています。

血中のナトリウムが多いと身体は濃度を薄めようと水分を欲します。塩辛い物を食べると喉が渇くでしょ。
で、水分を摂り過ぎるとその分、血液の量が増えるので血管にかかる圧が強くなります(高血圧)

逆に、血中のナトリウムが少なすぎると、濃度を増やすために水分を排出して濃度を保とうとします。
場合によっては脱水症状を引き起こします。

例えば、大量に発汗すると水分とナトリウムを失うことになります。

この時、脱水症状にならぬよう水分だけを補給すれば、ナトリウム濃度は薄くなることに。

そして血中のナトリウム濃度を保とうと筋肉などの細胞内のナトリウムが血中へ奪われます。

ナトリウム濃度が低いと(低ナトリウム血症)、筋肉の収縮に必要なナトリウムが不足しているので上手く筋肉などが働きません。

筋肉を動かすための神経伝達が働かず、勝手に痙攣を起こす。これが熱けいれんです。


このように水分だけでなく塩分も補給することが大事だということがよく分かりますね。

水分だけ補給すると、場合によっては逆効果になることも。


塩分の補給にはみそ汁が有効とのこと。水分と塩分のバランスが良いんだって。

塩分は健康に悪いから、と言って徹底的に減塩するのは体に悪いですよ。

健康オタクほどやっちゃいそうですよね。

ほら、なんでも「熱中」し過ぎるから。
 

(実はスポーツドリンクは微妙 SHIBA)

【健康】 緑茶カテキンががん細胞の増殖を抑制?

どうもSHIBAです。

緑茶は健康に良いことで知られています。

しかもその効果は多く、

抗酸化作用だけではなく、血圧上昇の抑制、コレステロールの抑制、血糖値の抑制、アンチエイジング効果、抗がん作用、抗菌、アレルギー抑制、さらには認知症の予防など多種多様に渡ります。

緑茶にはカフェインテアニン(うま味成分となるアミノ酸)、ビタミン類サポニンなど健康に良い成分も多いんですが。

なんと言っても、緑茶の成分と言えば最も有名なのは茶カテキンですよね。

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カテキンはポリフェノールの一種

カテキンにも種類があり、なかでも最近注目されているのが「エピガロカテキンガレート」、略してEGCG

抗がんに有効であるという海外の論文や研究結果の報告が、今年に入って多数発表されています。

これまでもカテキンが抗がん作用があることは知られていましたが、ここへきて海外での研究が盛んなのは、緑茶の価値が世界で認められ始めたと言うことでしょうか。

ちなみに同じ茶葉でもカテキンは紅茶には含まれません(製造の過程で他の成分に変わってしまうため)

・・・で、

海外の研究報告では、EGCGの抗がん作用には驚くべき効果もあったということで注目されています。

それは、EDCGが発がん抑制に働くだけでなく、「がん細胞の増殖を抑制する」ことが発見されたこと。

「増殖を抑制する」とは分かりやすくいえば「一部のがん細胞を死滅させる」と同じこと。

緑茶を飲むとがん細胞が死滅するなんて、にわかに信じがたい話であります。

どうやらEGCGが、がん細胞の「アポトーシス」という「細胞の自殺」を引き起こすらしいんです。

ちょっとアポトーシスの説明が要りますね。

ヒト(成人)の体には60兆個もの細胞があると言われていますが、常に細胞死と細胞分裂を繰り返して絶えず入れ替わっています。

不要な細胞や老化した細胞、傷ついた細胞などは除去され、組織の若返りや修復を行うために、細胞には自ら死滅することが遺伝的にプログラムされていています。

その作用がアポトーシスなんですが、がん細胞はアポトーシスの抵抗性が強い特徴があって、ひたすら増殖するから厄介者なんです。

正常な細胞は分裂して増える分だけ死滅する細胞があるのでバランスが保たれていますが、がん細胞はアポトーシスが起こりにくいのでどんどん増える一方。

抗がん剤の多くは、がん細胞のアポトーシスを引き起こす作用によって効果を発揮しています。

しかし、がん細胞だけにアポトーシスを起こしているわけではないのが抗がん剤の問題なんですよね。


そこで驚きなのがEGCG。

EGCGにもアポトーシスを誘導する作用があることは前述しましたが、

なんと!

海外の研究報告によれば、正常な細胞への悪影響は見られなかったというではありませんか。

これって、がん細胞にだけアポトーシスを誘導し死滅させる効果があるってことでしょ。

で、正常な細胞にはカテキンの持つ抗酸化作用によって酸化から守り、細胞ががん化しないように守るわけですから・・・これは素晴らしいの一言に尽きますよね。


また、別の研究発表(ペンシルバニア大学)では、EGCGが口腔がんのがん細胞を死滅させることを発見。

ヒトは呼吸時、ごくわずかですが一定の割合で活性酸素を発生させています。
通常、細胞には呼吸やエネルギー代謝に関わるミトコンドリアという小器官がありますが、ここで代謝の副産物として活性酸素が放出されます。

この研究によると、EGCGががん細胞のミトコンドリアを傷つけ、傷つけられたがん細胞は防御しようと活性酸素を放出。自ら放出した活性酸素によりさらにダメージを受け、そのダメージに反応してさらなる活性酸素を・・・という具合に暴走させるようなのです。

古くなったり傷ついた細胞はアポトーシスというメカニズムで死滅する運命ですから、つまりがん細胞は暴走して自ら爆破装置を起動させてしまうんだろうと解釈できます。


あ、ただし、これらの研究の多くは培養したがん細胞に対しての実験結果によるものですから、それこそがん細胞に高濃度のEGCGを添加しているのであって、実際に緑茶を摂取しても体内のがん細胞に作用するEGCGが同じ濃度になるわけではありません。

健康食品にはこのような研究結果だけを持ち出して宣伝しているものが多いので注意が必要です。

さて、ではECGCはどうかと言えば、これがよく分からない。


一応、国立がん研究センターによる最近の研究報告では「1日4杯の緑茶で死亡リスクが下がる」ことが分かっていますが、全体の死亡リスクを調べたものなのでアポトーシス誘導作用との直接的な研究ではありません

抗酸化作用による発がん抑制や動脈硬化予防効果など、緑茶には健康に良い作用がいくつもあるので、これら総合的な結果が死亡リスクを下げているんですね。

なので、この結果では「がん細胞を死滅させている」かどうかは分かりません。

いかにも健康本や健康番組が喜んで飛びつきそうなネタだけに、早くハッキリして欲しいですね。

実証されれば緑茶の世界的な注目はますます上がるでしょうから、その期待は膨らむばかりです。
 

(口臭予防にも良いよね SHIBA)

【健康】 プール熱にご用心

7月から海開き。プールの利用も盛んな月になります。

プールにちなんで名付けられた症状に「プール熱」と呼ばれる夏風邪があります。

プール施設のある当館では気になる名前です。

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でもあまり馴染みがなさそうな「プール熱」

名前からは熱中症のようなものに思えるかもしれませんね。

実は、プール熱は「咽頭結膜熱」とも呼ばれ、ウイルス性感染症の一種です。

プールの水を媒介して感染することが多いことから「プール熱」と呼ばれています。

軽い症状のものから高熱を伴い扁桃腺が腫れたり肺炎や結膜炎など重症化することもあります。

原因となるウイルスは「アデノウイルス」

インフルエンザウイルスは有名ですが、アデノウイルスはその次に多く検出されるそうです。

インフルエンザは主に冬場に発症しますよね。

しかしアデノウイルスには季節性が無く、いつでもどこでも(プロミ○かい)感染する恐れがあります。


ただ夏場のプールの水を介して発生することが多いようです。

気を付けようにも、インフルエンザのようにワクチンが無いのが厄介ですね。

潜伏期間は4~7日だそうなので、発熱をした4~7日前にプールを利用した方は医療機関で確認してもらった方が良いと思われます。

当館でも塩素消毒は行っておりますが、お子様は特に発症しやすいそうなので、プール利用後はしっかりと身体や目を洗ってください。うがいも忘れずにお願いします
 

救急車有料化の問題について

どうもSHIBAです。

財務省の有識者会議で、救急車の出動要請に一部有料化する案が浮上したとのことで、何かと話題になっていますね。

有料化が検討されている主な理由としては、

①自力で来院できる軽症者でも簡単に救急車を利用できるため、緊急を要する重症患者の対応に支障をきたしている。

②救急車出動の財源は深刻な状況を迎えている社会保障費なので、少しでも財源負担を軽減する必要がある。


などが挙げられるかと思います。

僕個人的には、感情的には有料化に賛成なんですが、冷静に考えれば反対する部分もあり、ここで一般論を述べても意味が無いので止めておきます。

しかし当施設の立場から考えると見解はガラリと変わったものになります。

つまり有料化反対の意見です。

まあ反対というよりも、有料化になると都合が悪いんですよ。

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というのは、当健康センターでも年間に何回か救急車の出動を要請する事態が発生します。

急に具合が悪くなるお客様や、怪我をしてしまったお客様というのは、常に一定数いらっしゃいます。

その時、我々スタッフと致しましては、お客様の安全を確保するために救急車に頼っている部分があります。医療の専門知識がありませんからね。勝手な判断でお客様を危険な目に遭わせるわけにはいきません。

しかし、なかには救急車の要請を拒否するお客様も多いんです。
周りには他のお客様が大勢いますから、人目を気にして「大丈夫だから呼ばないでくれ」とお願いするお客様は多いです。恥ずかしい気持ちも分かります。でも万が一ということもあります。

本人が大丈夫だと言っても、その裏に危険な病が隠れていることもあるかもしれません。
だから我々としては本人の意思とは関係なく、救急車を呼ばせて頂くことも多いのが実態です。

そんな状況ですから、
今後、救急車の要請が有料化された場合のことを考えると、我々の対応も難しくなります。

本人が拒否した場合、有料だと勝手に呼ぶわけにはいかなくなりますからね。

本人が拒否しているんだから放っておてば良いだろ、と思われるかもしれませんが、お客様の安全を第一に考えるならば放っておくのは無責任な行為でしょう。

もちろん、見た目にも大したことが無いと思われる場合のことを言っているわけではありません。
我々からすると「救急車を呼んで診察して貰うべき」と思われるのに、本人が強がって嫌がる場合のことです。

本当ならば要請するべきか否かを判断できる技術があれば良いのですが・・・


救急車での搬送でさえ救急医療機関の人手が不足していたり、病院をたらい回しにされる問題が存在しています。
救急であろうと自分の力で病院へ行った場合はなおさら対応が遅れることは容易に想像できます。
この問題を解決しないことには有料化をしても「救急車を利用する」という状況はあまり変わらないかもしれません。

冒頭の①の理由による問題を解決したいのであれば、先に救急医療の施設・スタッフの充実が求められるかと思います。

②のような財源の問題には、救急患者よりも先に一般患者の医療費をどうするかを問題にするべきです。
遺伝的な理由の先天性な病気の患者と、二日酔いなどのどう考えても自己責任である患者が、同じ条件の社会保障を受けられるのは明らかにおかしい。二日酔いの診察料なんて全額自己負担にして欲しいくらいです。

少し感情論になってしまいますが、命にかかわる救急患者に負担を課すかどうかを検討する前に、他にやるべきことが多いのではないのでしょうか。


(一番大変なのは医療関係者の皆さん SHIBA)

【まとめ】 症状別の入浴法 一覧

これまでアップしてきた入浴法の一覧です。

気になる症状をクリックして下さい。

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「高血圧」の入浴法

「乾燥肌」の入浴法

「メタボ」の入浴法

「花粉症」の入浴法

「アトピー皮膚炎」の入浴法

「うつ」の入浴法

「肩こり」の入浴法

「脚のむくみ」の入浴法

「便秘」の入浴法

「下痢」の入浴法

【健康】 トランス脂肪酸とは。サルでも分かる超スーパートランス脂肪酸入門ガイド

どうもSHIBAです。

マーガリンやショートニング(お菓子などに使われている)に多く含まれている「トランス脂肪酸」が、米国で2018年以降、食品に加えることが禁止されました。

『【健康】 <最新のニュースから> 米国でマーガリンなどトランス脂肪酸が全廃へ』 参照

トランス脂肪酸には悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすから、というのが禁止となった理由です。

ではなぜトランス脂肪酸はいけないのか。トランス脂肪酸って何?

誰しもが感じる疑問です。


トランスとは「狂った」という意味ではありません。「横切った」という意味です。

「狂った脂肪酸」なら確かに体にわるそうだ。

それにしても「横切った脂肪酸」とはどういうことなのか。

それを知るには脂肪酸の構造を理解する必要があります。

なんだか難しくなりそうですが、誰でも分かるように頑張ってみますのでついて来て下さい。


脂肪酸は、炭素(C)水素(H)酸素(O)から構成されています。

そしてそれぞれの分子にはお互いに結合するための「手」があります。

  |
 ―C―   H―  O=
  |


炭素(C)は4本、水素(H)は1本、酸素(O)は2本の「手」を持っています。

分子はこの手でお互いに結合します。

  例: 水(H2O)の場合  H-O-H


分子同士が結合する時に、1本の手同士で結合することを「単結合」
2本の手同士で結合することを「二重結合」といいます。

ここで2つの球体が串の両端に刺さっている様子を想像してみて下さい。

1本の串で結合している場合(単結合)は、その1本の串を軸にくるくると回ることが出来るので安定しません。

2本の串で結合している場合(二重結合)は、2本の串でガッチリ刺さっているために回転ができず安定します。


なぜこんな話をするのかと申しますと、脂肪酸を理解するにはこの二重結合のあり方が大きく関わっているからです。


脂肪酸は通常は炭素(C)が一直線に繋がった直鎖状に配列されています。

例えばこんな感じ

 tran1[1].jpeg
 

このように炭素同士がすべて単結合している脂肪酸を「飽和脂肪酸」といいます(水素で飽和されているから飽和脂肪酸)


これに対し、どこか一箇所でも二重結合がある場合は「不飽和脂肪酸」といいます。

例えばこんな感じ

tran2[1].jpeg


水素で飽和されていないから不飽和脂肪酸。


まとめるとこうなります。

 脂肪酸
 ・飽和脂肪酸(二重結合なし)
 ・不飽和脂肪酸(二重結合あり)




さて、一般的に不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸と比べ融点が低く、溶けやすい性質をしています。

飽和脂肪酸は室温では固体で、不飽和脂肪酸は室温では液体である傾向があります。

生物にとって体内の脂肪が環境の温度によっていちいち固まると生きていけません。

哺乳類や鳥類など恒温性動物は、36℃前後を保つことができるので飽和脂肪酸で構いませんが、
変温動物や植物は、温度が低い環境下でも脂肪酸が固まらないように融点が低くないといけません

ちなみに融点とは物が溶け出す温度のことで、融点が低ければ低いほど液体の状態を維持できます。

溶ける>融点>固まる

だから魚は動物性でありながら冷たい海水でも固まらないように不飽和脂肪酸なんですよ。
魚の脂はサラサラでしょ。
DHAやEPAが身体に良いのはそのためです(同じ不飽和脂肪酸でも二重結合がたくさんあります)


では次に、なぜ二重結合があると固まりにくいのか?を考えてみましょう。

農水省のホームページに中性脂肪の構造を表した図があります。

fat_oil01.gif


中性脂肪はグリセンリンに3つの脂肪酸が結合した構造をしています。

右の3本の毛みたいな線が脂肪酸です(炭素などの元素記号は省略されています)

3本のうち、一番上の脂肪酸は炭素が全て単結合されていることを意味しています。
なのでこれは飽和脂肪酸です。

前述のとおり、炭素が直鎖状に単結合している場合、団子の串を軸に回すようにくるくる回してみても、3次元的に見ると立体的には何も変わりません。

2本目の脂肪酸は、二重結合が一箇所ありますよね。二重結合が一箇所でもあれば不飽和脂肪酸です。

そしてここで注目して欲しいのは、二重結合をしている部分で屈曲していること。

3本目の脂肪酸は二重結合が2個所あることでさらに屈曲しています。

このような不飽和脂肪酸では、屈曲部より先は回転によって円錐状を描くように動くので近くの分子にぶつかります。

その場で自転しているだけの飽和脂肪酸に比べ、あちこちぶつかりあって流動性のある不飽和脂肪酸は固まりにくいことになります

二重結合の数が多くなるほど融点が低くなります。つまり液状を維持しやすい。

よって飽和脂肪酸は固まりやすく、不飽和脂肪酸は固まりにくいと。そういうわけです。


ここまでの説明について来ていますか?

ここからが本題ですよ(長いな)


マーガリンの誕生を実現するには植物性の油脂をバターのように固体する必要がありました。

不飽和脂肪酸なんだけど固まりやすくしたい。

ここで注目したのは二重結合の一部を単結合にして屈曲を減らし直鎖状にできないか?ということ。

そこで二重結合に水素を付加させて単結合にすることで屈曲を減らす方法がとられました

しかし、一部の二重結合では、二重結合はそのままで炭素に結合している水素の位置だけが正反対に変化するだけの箇所が発生します。

これが、水素が横切っているように見えるので、この形をとってトランス(横切った)型と言います。

トランス型の二重結合が一つでもあれば、それはトランス脂肪酸です。

trans_katei01.gif


これによりトランス型不飽和脂肪酸は、流動性に乏しく融点を上げて溶けにくくすることができるようになりました

これがマーガリンの誕生です。

トランス脂肪酸は、限りなく飽和脂肪酸に近いけれども、若干歪な形をしているのでマーガリンはバター(飽和脂肪酸)よりは溶けやすいです。


まあ、トランス脂肪酸についてざっくり申し上げましたが、
だから何が健康に悪いんだ?って話になると、これが分からない。

それもそのはず、実際に農水省でも「十分な証拠がない」との見解ですからね。

一応、不飽和脂肪酸ではありながら飽和脂肪酸のような性質があるので、体内で代謝されにくく悪影響を及ぼすことが原因とされています。

しかしそれだったら飽和脂肪酸全般にも言えることですからね。なにもトランス脂肪酸ばかりが取り沙汰されるのはおかしい。

「悪玉コレステロールを増やし善玉コレステロールを減らす」とも言われていますが、詳細な情報がないのでこれも分からない。

ひょっとすると、飽和脂肪酸に似ているとかそういうことではなくて、人工的に作り出された脂肪酸であるところに問題があるのかも。

天然由来のトランス脂肪酸など殆ど存在しないらしいから。

トランス脂肪酸を加工する過程、例えば水素を添加する時や、不純物を取り除くための加熱処理が加わることとか。どこかそのへんに不都合なことがあったりしてね。


良くいえば「健康に悪いという証拠は無い」
悪く言えば「安全であるという証拠は無い」


だったら何か新しいことが分かるまでトランス脂肪酸は避ける方が賢明なのかな。という気がしますがはたして・・・


(マーガリン関係者は大変だな SHIBA)