【健康】 「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」って何?
一般の健診で血糖値が正常でも侮れないのがグルコーススパイク(血糖値スパイク)だと言われています。
グルコーススパイクとは、食後に血糖値が急上昇して、空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きくなる状態のこと。
健康診断の血糖値は空腹時血糖値なので、いくらこれが正常値でも安心できるわけではありません。
空腹時血糖値は正常値なのに、食後血糖値が異常に高い人のことを「かくれ糖尿病」とも呼ばれます。
◆グルコーススパイク(血糖値スパイク)の何が問題?
糖質(または炭水化物)を摂取すると体内で消化され、ブドウ糖(グルコース)にまで分解され血中に流れます。
血液中のブドウ糖のことを血糖といい、食後はブドウ糖の血中濃度が高くなるので血糖値が上がります。
やがて血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが分泌され、ブドウ糖は体中の各細胞に取り込み、エネルギーとして利用されることになります。必要以上のブドウ糖は体脂肪として蓄えられていきます。
すると今度は、このインスリンの働きによって血糖値が下がり、血糖値は正常値へ戻ります。
この一連の流れは誰しも食後に起こる生理現象ですが、一度に糖質(または炭水化物)を摂り過ぎると急激に血糖値が上がります。
この状態をグルコーススパイクといい、境界型糖尿病(糖尿病予備軍または軽い糖尿病)にみられる特徴です。
境界型糖尿病では、インスリンの分泌が不足し始めているか、効きが弱くなり始めている可能性が高いと考えられます。
そのため食後の血糖値上昇をなかなか抑えられず高くなりがちになったり、高い状態が続いたりするようです。
そもそも血糖値が急激に上がることの何がいけないのか?・・・まずはそれを知らなければなりません。
<グルコーススパイクの問題点>
・血糖値が高いとブドウ糖が血管を傷つける
・インスリンが大量に分泌されるので血糖値が急降下し、今度は下がり過ぎて低血糖になる場合がある
・このような生活が続くと、すい臓がインスリンの分泌に疲れてそのうちインスリンの分泌がされなくなったり効きが弱くなったりして糖尿病になる
怖いのは糖尿病だけではありません。血管が傷つくわけですから動脈硬化のリスクだって高くなりますし、むしろ怖いのは動脈硬化によって突然死の原因となる脳卒中(脳出血や脳梗塞など)や急性心疾患(心筋梗塞など)です。
最近ではがんや認知症も糖尿病の合併症として認知されてきています。
『【健康】 糖尿病最新事情(前編) がん細胞の増殖も合併症?』 参照
◆こんな人は要注意!
このように急激な血糖値上昇は不調のもとになるわけですが、
グルコーススパイクに注意しなければならないよう要素は以下の通りになるそうです。
・加齢 ・・・ 加齢と共にリスク上昇
・BMI値 ・・・ 肥満な人ほどリスク上昇
・遺伝 ・・・ 親や兄弟に糖尿病患者がいるほどリスク上昇
・血圧 ・・・ 高血圧ほどリスク上昇
・喫煙習慣 ・・・ 吸う本数が多いほどリスク上昇
・運動習慣 ・・・ 運動不足ほどリスク上昇
また、朝食抜きダイエットをしている人もグルコーススパイクに要注意だとか・・・
食事をするたびに血糖値が上がりインスリンが分泌されるなら、一食(朝食)を抜くことで負担は軽くなり血糖値が下がりそうな気がするかもしれません。
しかし、ヒトの血糖値は常に一定に保たれる性質があるので、朝食を抜いて血糖値が下がりそうなときは血糖値を上げるホルモン(グルカゴンなど)が働いています。
そんな状態のまま昼食をとると、普段以上に血糖値が上がってしまいます。
これこそがグルコーススパイクに注意しなければならない理由です。
◆グルコーススパイク(血糖値スパイク)を回避する食べ方
一番簡単なのは摂取する糖質(または炭水化物)の量を制限することですが、それができるなら苦労はしませんよね。
同じ食事量でも血糖値の上がり方に変化をもたらす方法としては、食べる順番が有名です。
一度は聞いたことがあるとは思いますが、米やパン、麺類といった炭水化物のものを先に食べるより、野菜など食物繊維を含むものから先に食べる方が血糖値の上がり方は緩やかになります。
ちなみにタンパク質や脂質は血糖値に影響しませんので食べる順番は
1.野菜
2.タンパク質・脂質
3.炭水化物
が理想的だと考えられています。
まあ、そんなことぐらいは承知されているとは思いますが、もうひとつ工夫できることとして低GI値の食品を取り入れることが挙げられます。
GI値とは、ブドウ糖の数値100を基準とし、食後の血糖値の上昇スピードを数値化したもので、同じ糖質を摂るにしてもGI値の低い食品をうまく食事や間食に取り入れることで血糖値の急激な上昇を抑えることができるというわけです。
例えば同じコメでも玄米は白米よりもGI値が低く、白米を玄米に変えるだけで血糖値の上がり方が少し緩やかになるはずです。
白米のGI値 : 85
玄米のGI値 : 56
同じ野菜でも芋類や豆類は比較的GI値は高めですが、きのこ類やナッツ類はGI値が低い食品として注目されています。
一般的に食物繊維を多く含む食品が好ましいでしょうね。海藻類も食物繊維が豊富です。
食物繊維以外では、長いもやオクラのようなネバネバ成分を含む食品も血糖値の急激な上昇を抑える作用があるので有効です。
長いもは決してGI値が低いとはいえませんが、ネバネバ成分を多く含むため逆に効果のある食品とされていて、GI値が全てでもない例だと言えます。
長いものGI値 : 65
オクラのGI値 : 28
また、果物もおすすめです。甘いイメージが強いのでGI値が高そうに思えるかもしれませんが、特にブドウ糖よりも果糖を多く含む果物のGI値は低めです(果糖は血糖値に影響しない)
りんごは果糖が多いのでGI値は低く、またカリウムやペクチン(食物繊維)も多く含まれているので優秀です。
果糖よりもブドウ糖の多いバナナは、リンゴと比べると若干GI値は高くなりますが、見た目のGI値以上に豊富な食物繊維や善玉菌のエサとなるオリゴ糖による恩恵が大きく、腸内環境を整える食品として優秀です(だからといって食べ過ぎはもちろんダメ)
りんごのGI値 : 39
バナナのGI値 : 55
意外なところで酢やオリーブオイルの使用も血糖値の上昇を抑える工夫です。
酢は体内でクエン酸となり糖質の代謝を活発化し、オリーブオイルのオレイン酸にはインスリンの分泌を助ける作用があります。
ダイエットのためといって野菜にノンオイルを使用する方が健康に良いとは限らないのです。
最後に、トクホ(特定保健用食品)にも指定された難消化性デキストリンも紹介しておきましょう。
難消化性デキストリンとは、消化しにくいデンプンのことで、水溶性食物繊維の一種とも言われています。
デンプンはブドウ糖がたくさん結合したものなので、デンプンは体内で消化されると通常はブドウ糖にまで分解されます。
ところが難消化性デキストリンはブドウ糖にまで分解されないので血糖値を上げることはありません。
『【美容】 ダイエットに注目度高い「レジスタントスターチ」と「難消化性デキストリン」』 参照
補足ですが、早食いをしないことも重要なポイントです。
噛まずに飲みこむほど血糖値は上がりやすく食べ過ぎも招きやすくなりますからね。
よく噛んで食べることや、少量を複数回に分けて食べることは、血糖値の急上昇から回避する良い方法です。
食べたい物を我慢ばかりするのはストレスにもなりますから、少しでも賢く食べていきたいものですね。
関連記事
『【健康】 糖尿病最新事情(後編) 運動が糖尿病改善に有効なワケ』
『【健康】 <最新のニュースから> 歩行時間と糖尿病との関連について』
『【健康】 <最新のニュースから> カリウムが糖尿病患者に良い?』
『【健康】 「糖尿病」の入浴法① ~境界型糖尿病(予備軍)の場合~』
『【健康】 「糖尿病」の入浴法② ~糖尿病患者の場合~』
【健康】 高齢者をお風呂に入れるとき最優先して注意すること
高齢者の入浴を介助するとき、気をつけなければいけないことの中でも最優先して注意することは、ズバリ
「転倒の防止」 です。
浴室で転倒 >>> 骨折 >>> 寝たきり
このような展開は避けなければなりません。
介護技術がなくても自分でできることは結構あります。
例えば浴室に手すりを用意して支える。それも浴室の出入り口につけると便利です。
イスも介護用のイスにしてみたり、床や浴槽内には滑り止めをすることも有効です。
特に足元が滑りやすいと危ないので、こまめに掃除をしたり、入浴前には床が濡れていたり滑りやすくなっていないか確認するようにしましょう。
また、意外にも、介助する自分が転んでしまうなんてことがないように十分気をつけなければなりません。
さて。
転ぶのはなにも物理的な要因ばかりではありません。
血圧の急激な変化によって倒れてしまうことも高齢者にはよくあることです。
入浴前は必ず健康に問題がないか確認しましょう。
特に血圧のチェックは欠かせません。
入浴前からすでに上の血圧が高い(160以上)場合や低い(100以下)場合は要注意です。
また、入浴前にコップ1杯の水分補給をすることも脱水状態や血圧の急上昇の予防になります。
入浴の介助はなにかと大変だとは思います。
しかし高齢者は思うように体を動かせないこともあるので、慌てさせないようゆっくりと付き合ってあげましょう。
大切なのは思いやりです。
【健康】 超簡単!血圧を下げるためにお風呂でできる8つのこと
高血圧の人にとって入浴は正しい入り方をすることで、急激な血圧上昇を避けるだけでなく血圧を下げることもできます。
高血圧の正しい入浴法とは、血圧を上げなように39℃前後のぬるめの湯に浸かることですが、
このくらいの温度であれば副交感神経が刺激され血管が拡張されるので、血圧の急上昇を抑えるばかりか下げることになります。
また血管が拡張されることで血流も改善されるので、動脈硬化の心配のある人にとってもぬるめの温度は効果があります。
加えて、血圧の急激な上昇を防ぐために脱衣場や浴室の室温をあらかじめ暖めておいたり、入浴は心臓に負担のかからない半身浴にするなどが高血圧対策となる入浴法となっています。
これだけでも高血圧には十分効果のある入浴となるのですが、ここではさらに、ただ普通に湯船に浸るだけでなく、この時間帯を利用してできる「血圧を下げると言われている8つのこと」を紹介します。
簡単なことばかりですので試してみると良いですよ。
◆深呼吸
①腹式呼吸
深呼吸をすることで血圧が下がります。・・・と言われても実感を持てない人もいるかと思います。
そんな場合は腹式呼吸を試してみましょう。
腹式呼吸とはラジオ体操のように胸を膨らませるのではなく、息を吸うときにお腹を膨らませ吐くときにへこませる呼吸法です。
胸式呼吸と比べてゆっくりで深い呼吸になります。
誰でも緊張状態や慌てている時は交感神経が優位になっていて呼吸は浅く回数も多くなっている(胸式呼吸)ことからも分かるように、ゆっくりと深く呼吸をする(腹式呼吸)ことでリラックスできて副交感神経が優位になるんですね。
◆ストレッチ
ふだんから食事に気をつかっているのに血圧が高いままの人は体の硬さが原因である可能性も考えられます。
関節や腱をほぐすと末梢血管までの血流が良くなるので、ストレッチはとても血圧に効果があります。
ただし痛みを感じる場合はそこで止めること。無理に続ける必要はありません。
②首筋のストレッチ
首筋がこわばると肩こりの原因となります。
ストレッチで肩こりを解消し、血流を改善しましょう。
まず首を右に傾けながら、左肩を下へ引っ張るようにする。この状態で10秒。
次に反対の首も同様。
③手首のストレッチ
手首のストレッチも有効です。片方の手を伸ばし、手のひらを前にしてもう片方の手で掴み手首を10秒間そらしたままにします。
そして今度は逆方向に手首をそらして10秒。
次に反対の手も同様。
④足首のストレッチ
浴槽内で脚を伸ばして座り、片方の足をもう片方の足の上に引き寄せ、手で足首をクルクル回す。
反対の足も同様。
⑤足指のストレッチ
足の指先をグーパーします。足指を開いたり閉じたりすることで末梢血管まで血流が良くなります。
◆マッサージ
ストレッチで体がほぐれたら、仕上げでマッサージしましょう。より血行が促進されます。
⑥ふくらはぎマッサージ
ふくらはぎは「第2の心臓」と言われるくらい血行に大きく関係しています。
ふくらはぎを下から上へ擦るだけでも効果があると言われていますから、試さないわけにはいきませんよね。
⑦血圧を下げるツボを刺激する
実は血圧を下げるツボは体のあちこちに存在します。
興味のある人は自分で調べてみると良いですよ。
代表的なのは耳のツボ「降圧帯」、後頭部の「風池」、手の「合谷」、脚の「足三里」など・・・
『【健康】 お風呂で高血圧改善!自分で押せるツボ6つ+α』 参照
⑧シャワーヘッドでマッサ―ジ
実はシャワーの水圧でもツボを刺激したり、シャワーを当てたところが局所的に温まり血行が良くなるといった効果が期待できます。
お腹にシャワーヘッドを当てて、時計回りに「の」の字を描くようにすると、腸の働きに丁度良い刺激になり便秘解消になるばかりでなく、血圧を下げる効果も期待できます(便秘は血圧を上げる要因となる)
また手足の指先にシャワーを2~3分当てるだけでも末梢血管の血流が改善されます。
関連記事
『【健康】 「高血圧」の入浴法 ~安全な入浴法と症状別の工夫~』
【健康】 入浴に「認知症」予防の効果があるかもしれない3つの理由
毎日お風呂に入りたくなるお話を一つ・・・
入浴には清潔を保つ、疲労を回復する、ストレスを解消する、温まるなど様々な効果がありますが、
認知症の予防効果もあると聞いたら積極的にお風呂に入りたくなりませんか?
医学的に証明されているわけではありませんので、あくまでも可能性の話ですが、
それでも入浴には認知症の予防に一役買いそうな根拠が存在します。
そもそも、浴槽に浸かるという入浴習慣は欧米では一般的ではないので、入浴における認知症予防の可能性への関心度は低く、海外ではあまり研究されていないように思います。
今後、入浴と認知症の関係が明らかになるのではないかと期待しています。
さて。
入浴が認知症の予防に効果があるかもしれないその理由ですが、大きく3つ考えられます。
1.脳の血流が促進される
2.アセチルコリンが分泌される
3.身だしなみへの意識向上
1.脳への血流が促進される
入浴による血行促進によって脳への血流が良くなります。
全身の細胞に栄養や酸素は血管を通じて運ばれますので、脳の細胞を健康を保つには血行促進が欠かせません。
脳の機能が低下している部分は、脳の血流が低下していることが認められており、認知症と血流の関係は重要な要素となります。
また、入浴と睡眠はセットで考えられることが多く、入浴によってリラックスすると副交感神経が優位となり血管が拡張して血行促進しますが、その状態で入眠しますと質の高い睡眠が得られます。
質の高い睡眠とは睡眠中の血流が良い状態で、全身の細胞のダメージを修復したり、脳内に蓄積された認知症の原因物質アミロイドβもスムーズに排出します。
逆に睡眠不足の状態だと、アミロイドβの量を増やしてしまいアルツハイマー病の原因となるので、しっかりと入浴から睡眠へと繋げる習慣を身に付けたいものです。
2.アセチルコリンが分泌される
アセチルコリンとは神経伝達物質のひとつで、脳内のアセチルコリンの量が不足すると神経間の伝達が悪くなり脳の機能が低下すると考えられています。
実際、アルツハイマー型認知症患者においてはアセチルコリン濃度の減少が確認されています。
そのため、アセチルコリンの量を増やせばアルツハイマー型認知症を予防できるのでは?と考えることができます。
しかし食事によってアセチルコリンを作る物質を摂取することもできるのですが、補給によってアセチルコリンを増やしてもすぐに分解されてしまうため、アセチルコリンの量を増やすよりも活性化させることの方が効果があると考えられます。
治療としてはアセチルコリンを分解する酵素の働きを阻害する薬が使用されています。
アセチルコリンを補給しても分解されてしまっては意味がないので、分解酵素を阻害して結果として量を増やそうというわけです。
また、アルツハイマー型認知症患者においてはアセチルコリンの分泌が低下していると考えられています。
アルツハイマー型認知症患者の脳内のアセチルコリン濃度が低いのは、アセチルコリンの量が少ないのではなくて分泌量が不足しているためにすぐ分解されてしまい、結果として濃度が減少していると考えることができます。
つまり、アセチルコリンは量を増やしても分泌量が少ない場合は簡単に分解酵素によって分解されてしまうと・・・
このようなことから、アセチルコリンの分泌を活性化させることが脳の機能低下を予防したり遅らせたりする方法だと考えることができます。
さて、そのアセチルコリンの分泌が活性化されるのは、言うまでもなく副交感神経が優位なとき。
そういうわけでここでも入浴時や睡眠時が該当します。
お風呂に入ってリラックスすることは、アセチルコリンの分泌を促し、脳機能を維持することでもあるとすれば、入浴に対する見方も変わりそうですね。
3.身だしなみへの意識向上
認知症患者の特徴として、入浴拒否があります。
お風呂に入るのを嫌がってしばしば介護者を困らせます。
これは、入浴や着替えをしなくても平気でいたりする身だしなみへの無関心が原因です。
認知症になると日常の活動や身の回りのことに興味をなくしてしまったりします。
そのため風呂に入って清潔を保たなければならないという気持ちがなく、風呂に入らなくても着替えをしなくても平気になってしまうんですね。
逆に言えば、ふだんから入浴同様、髪型や服装、メイクなどに気を使うことも意識すれば自己身辺への無関心化を防ぐことになりそうです。
「少しくらい汗をかいていても風呂に入らなくたって平気だわい」なんて思っていると脳機能低下の進行が早くなるかもしれませんよ。
【健康】 コーヒーの健康効果が近年続々報告あり。どこまで信用できる?
毎日コーヒーを愛飲しています、どうもSHIBAです。
近年よく目にするのは「コーヒーは○○に効果あり!」といった研究報告が続々増えているということ。
コーヒーは嗜好食品であり、かつては体に良い飲み物としてはあまり考えられていなかったように思います。
それが、最近ではやたらと健康に良いイメージをもたらすような記事が増えてきているので、コーヒーに対する常識が変わりつつあります。
メリット
ちょっと自分で調べてみると分かりますが、現在ではコーヒーに様々な効果があることが知られています。
なかでもコーヒーが持つ健康に作用する主な物質はカフェインとポリフェノールでしょう。
カフェインには脳を活性化する作用と利尿作用があります。
カフェインは中枢神経に働いて覚醒作用、興奮作用をもたらします。
眠気覚ましにコーヒーを飲むのはこのカフェイン効果を期待してのもので、集中力や記憶力をUPさせるとして、最近では認知症予防に効果があるのではないかと注目されているほどです。
また、カフェインには血管を収縮させる作用もあり、脳の血管が拡張することが原因と考えられている片頭痛を緩和させる働きがあると考えられています。
利尿作用においては、むくみの解消や二日酔いに対して効果があるといわれています。
ポリフェノールには抗酸化作用があります。
そのため動脈硬化やがんの予防に働きます。
特に乳がんにおいては、乳がん患者約1,000人を対象に、コーヒーの摂取量と生存率の関係を調べた結果、毎日コーヒー2~5杯以上を摂取する乳がん患者では、がん細胞の増殖が抑制されたことが分かったという海外の研究報告が最近ありました。
この薬理作用は解明されていませんが、コーヒーの成分が何らかの作用をもたらしていると考えられています。
かつてはコーヒーには発がん性物質が含まれているのではないかという疑惑があったものですが、これまでにそのような事実が認められたことはありませんし、今では逆に抗酸化作用によるがん予防の効果の方が期待されています。
デメリット
なんだか良いこと尽くしのようにみえるコーヒーですが、では1日何杯も飲んでも構わないのでしょうか?
実はそうとも言えなさそうです。
覚醒作用があるということは過剰摂取すると当然不眠を招くことにもなりますし、精神状態が不安定の人にはコーヒーは逆効果に働く可能性があります。
利尿作用においては、過剰に働けば脱水症状の原因にもなりますし、尿と共にカルシウムが流れ出すことで骨粗しょう症の原因にもなる恐れがあります。
また、コーヒーに含まれるタンニンには鉄分の吸収を阻害してしまうことがあり、妊娠中や授乳中の女性や貧血気味の人には好ましくない影響があります。
1日何杯飲めばいい?
ではコーヒーは1日に何杯飲むのが良いのでしょうか。
メリットだけを考えれば5杯ぐらい飲んでも良いのでしょうが、デメリットのことを考えるとそうもいきません。
一応アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)では、1日4杯ぐらいまでとされています。
でも実際は個人差もあるでしょうし、時と場合によっても違ってくるでしょうから、あくまで目安として考えるべきでしょうね。
【健康】 熱中症が増えた理由は昔より暑くなったから・・・だけではない
どうもSHIBAです。
近年では熱中症になる人が増加していますよね。
日本人は暑さに弱くなったのでしょうか。
それとも昔の人が暑さに強かった?
現在では「水分補給には水分だけでなく塩分も必要」というのは常識になってきていますが、昔はそんな知識すらなかったのに、ましてや部活などでは猛練習でも「水なんか飲むな」という風潮だったのにね。
この疑問に対する憶測はいろいろされていますが、大別すると2つの意見に分かれています。
●暑さに弱い人が増えたから
●昔から比べて夏が暑くなったから
これ。どちらが正しいと思われますか。
おそらくどちらも正しいでしょうね。
「暑さに弱い人が増えたから」というのは、今の人が昔の人よりも暑さに弱いという意味ではありません。
高齢者ほど体温調節機能の働きが鈍くなるので熱中症患者の多くは高齢者であり、現在の熱中症患者の増加はそうした高齢化社会と関係があると考えられています。
つまり、「暑さに弱くなった」のではなくて「暑さに弱い人が増えた」ということです。
しかし同時に「暑さに弱くなった」というのも事実なのではないでしょうか。
高齢者以外においても昔の成人より今の成人は暑さに弱いということ。
と、こう言えば必ず「昔から比べて夏が暑くなっているのだから熱中症になりやすいのは当たり前だ」という反論があるものです。
確かに温暖化により気温は30年前よりも2.5度ほど高くなっていると言われたり、気候的なもの以外でもヒートアイランド現象などが影響していることもあって、昔より暑くなっているのは間違いないでしょう。
しかしそれがかえって冷房に頼る機会が増え、自ら体温調節機能を弱めている可能性が高いように思います。
暑い所と涼しい所の差が激しいほど出入りする度に自律神経は乱れやすく「夏バテ」の要因となり、
また発汗機能も低下して熱が体内に籠りやすくなり「熱中症」となる要因にもなるからです。
単に昔より気温が高くなったことだけが熱中症増加の原因だとすれば、日本より暑い国の人々は熱中症だらけでなければなりません。
日本は気温だけでなく湿度も高いことも関係しているとは思いますが、やはり暑さに対して適応できていないと考えべきではないでしょうか。
エアコンやクーラーといった冷房の利用を否定しているわけではありません。
しかし、日常的に「汗をかくべき時は汗をかく」というヒトとして当たり前の生理現象を避けてばかりいると、ますます暑さに対する適応能力が失われていきます。
便利な世の中になればなるほど、ヒトが本来持っている能力が衰えていくことの一例のような気がしてなりません。
<追記>
汗をかく習慣が無いと熱中症のリスクが高くなるのは汗腺機能が低下してしまうため。
能動汗腺(発汗作用が機能している汗腺)が少なくなると当然汗をかきにくくなりますよね。
能動汗腺は加齢によっても減少するそうなので、発汗できず熱が籠りやすい高齢者に熱中症が多いと考えられます。
【健康】 高齢者が熱中症にかかりやすい本当の理由 参照
また、逆に汗をかきにくいことが脱水を起こしていることに気付かないというパターン(かくれ脱水)もあるそうで、これも高齢者に熱中症が多い理由の一つになっています。
【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意 参照
なお、これらは何も高齢者に限ったことではなく、「汗をかく習慣が無い」人にも当てはまるので、やはり汗をかく習慣は重要になってきます。
手軽に汗をかく習慣を身につけるには毎日の入浴が有効です。
暑いからといってシャワー浴になっていませんか?シャワー浴では発汗作用が十分には働きませんよ。
全身浴か半身浴でしっかり汗をかきましょう。
ただし、発汗作用が円滑に機能するためには水分補給が大切になります。
ただ汗をかいてばかりいると脱水を招きますから、入浴の前と後には必ず水分を摂取して下さい。
(最終更新日:2018/07/19)
【健康】 「自分には関係ない」と思っている人ほど「かくれ熱中症」に注意
暑い日が続きます。熱中症対策は万全でしょうか、どうもSHIBAです。
熱中症になると異常な発汗あったり気を失ったり、または筋肉がけいれんを起こしたりします。
いずれにしても何らかの症状が生じて具合が悪くなるので通常は異変に気づくものですが、
中には本人も自覚しないうちに熱中症にかかってしまうことがあります。
これを「かくれ熱中症」といい、かくれ熱中症になる人は、汗をかかないために本人も脱水状態になっていることに気づかないことが多いようです。
「かくれ脱水」ともいい、発汗機能が低下している人に多い症状だと考えられます。
ヒトは体温調節機能の一つとして、皮膚血管の末梢から熱を放散しています。
これを不感蒸泄といって発汗がみられなくても目に見えない形で水分を失っています。
そのため症状に気づかないまま重症化してしまうようです。
しかも「自分には関係ない」と思っている人に多いというから厄介です。
かくれ熱中症(かくれ脱水)は高齢になるほどなりやすいと考えらていて、その理由は筋肉量や食事量の低下と関係しているからです。
筋肉には体内の水分を蓄えられています。体内の水分の約10%は筋肉に蓄えられているそうですよ。
だから脱水になると筋肉痛や筋肉けいれんを起こしやすいんですね。
食事量が減少することも水分やミネラルの摂取が減ってしまう原因となります。
歳を重ねるほど代謝が悪くなるので食事量も減りがちですから、そこは敢えて脱水にならないよう水分補給を意識したいものです。
「かくれ熱中症に気を付けよう!」といっても症状が表れないと気付きにくいものですが、サインとしては排尿の減少が挙げられます。
ヒトは発汗や呼吸、不感蒸泄などで水分を失うと、それ以上の損失を防ぐために腎臓での尿生産が抑えられ、排尿が少なくなる傾向があります。
尿があまり出なくなったら脱水状態を疑ってみることをお勧めします。
【健康】 これも熱中症?赤ちゃんにオシッコがみられない時は脱水症状を疑え
赤ちゃんは熱中症になっていても咳が出たり吐いたり下痢をするわけではありませんので、見た目にでは気付きにくいものがあります。
また、赤ちゃんは暑くてものどが渇いても苦しくても、それを伝える言葉を持ちません。
赤ちゃんを熱中症から守るには周りがしっかりと注意して見ていなければならないようです。
赤ちゃんは体温や水分出納バランスがとても変動しやすい特徴を持っています。
とにかく体内に占める水分量が多く、成人の水分は体重の55%程度であるのに対し、赤ちゃんは体重の65~75%も水分が占めているというから、それだけ赤ちゃんにとって水分は重要だということなんでしょう。
赤ちゃんはよく発汗しますからね。新陳代謝が激しいうえに、体重あたりの体表面積が広いこともあって汗によって容易に水分を失ってしまうようです。発汗していない時でも、皮膚からの不感蒸泄も多いのが乳幼児の特徴です。
このように体内に水分量が多くても簡単に脱水していしまいかねないので油断できません。
脱水状態の指標として体重の減少があります(脱水症状とは水分を失うことなのでその分体重が減少します)
乳幼児の目安としては、5%の体重減少がみられると軽症の脱水状態とされています。
例えば体重10kgの乳幼児は500gの水分を失うと軽症の脱水状態にあるとみてよいわけです。
ちなみに10%以上の体重減少になると重症と判断されます。
ただし、体重の変化は測定してみないと分からない部分もあり、毎日測っているわけでもないでしょう。
もっと分かりやすい脱水のサインとしては「排尿の減少」があります。
ヒトは発熱や嘔吐・下痢など、必要以上に水分を排泄してしまった時は、これ以上の水分損失を防ぐため腎臓での尿生産が抑えられオシッコがみられなくなります。
ただでさえ、赤ちゃんは尿量が多いもの。それは腎臓で尿を濃縮する機能が未熟なため、電解質や尿素を尿中に排泄するために多くの水分が必要となってしまうため尿量が多くなってしまうんですね。
それがパッタリと排尿が止まるというのは脱水を疑ってみるべきです。
また、大泉門が陥没しているかどうかも判断材料になりますよ(昔から赤ちゃんの頭のてっぺんが凹むと脱水していると言われている)
【健康】 子どもがすぐに熱を出す3つの理由
子どもはよく発熱します。赤ちゃんも。
子どもは感染症に罹患しやすいイメージがありますが、その背景には子どもならではの体温システムが影響しているということは知っておいた方が良いですよね。
体温に影響を及ぼしている要因は「基礎代謝」「体温調節機能」「免疫機能」の3つ。
1.基礎代謝
子どもは急速に発育しなければならない時期です。エネルギー必要量が非常に多く、大人と比べて基礎代謝が高いもの。
それによる熱生産が多いので、自然と体温は高めになってしまいます。
平熱も大人より高めなので、37度台で「発熱したのではないか?」と慌てる必要はありません。
2.体温調節機能
体温調節機能とは暑さや寒さを感受して体温が変動しないように調節するシステムです。
体温調節中枢は脳の視床下部にありますが、ヒトは暑さを感じるとその情報が体温調節中枢に送られ、ここから自律神経を介して皮膚血管を拡張して熱を体内の放散したり汗腺細胞に働きかけて発汗して体温が上昇するのを防ぎます。
しかし、子どもは自律神経が未熟なため熱を体外へ放散させることが間に合わない場合が多いようです。
これは体温が高くなりやすい大きな要因で、子どもが熱中症になりやすい原因ともなっています。
3.免疫機能
言うまでもなく子どもは免疫機能が未熟です。特に赤ちゃんは抗体を生産する能力が低いので、新生児は胎児期に胎盤を通して母体からもらった免疫グロブリン(IgG)のみが免疫として機能しています。
しかし母親由来の免疫グロブリン(IgG)も徐々に少なくなり、しかも胎盤を通過しない免疫グロブリン(IgAやIgMなど)もあり、免疫システムは不十分な状態にあります。
これでは度々かぜをひいて発熱するのも無理はありません。
子どもの発熱時の対応
発熱時は代謝が高くなって心拍数や呼吸数が上がるので疲れやすくなります。
元気がないようでしたら体を休ませるようにしましょう。
室温や湿度に気をつけ、発汗している時は着替えをしてあげましょう。
高熱による発汗が見られる場合は、首や腋の下、鼠蹊部など大きな動脈の流れている部位を冷やしてあげる必要があります。
ちなみに額を冷やしても体温は下がりません。ただし、脳がダメージを受けると大変なので脳内の温度が上がりすぎないよう額を冷やしてあげることは有効なことです。
また、発汗や呼吸から多量の水分が失われます。水分の補給にも気を配りましょう。
発汗などにより脱水すると腎臓による尿の生産が抑えられオシッコがみられなくなる場合があります。
そのため長い時間オムツを替えないことがあるかもしれませんが、発汗によりオムツ周りが蒸れているはずなので、衣服の着替え同様オムツもこまめに替えてあげたいところです。
子どもが発熱したときにお風呂へ入れても良いのかどうか?よくある疑問ですが、これは発熱の原因にもよりますが、風邪による発熱であればそれほど神経質になる必要はありません。
微熱程度なら熱の有無よりも元気があるかどうか、食欲があるかどうかといった子どもの状態で判断すると良いでしょう。
『健康】 子どもの入浴法 ~「かぜ」の場合~』 参照
【健康】 冷房が効きすぎるとお腹の調子が悪くなる理由
暑いので冷房をガンガンに効かしたままお腹を出して寝ていたら下痢になっちゃった・・・という経験はありませんか?
誰しも経験的に「体を冷やし過ぎるとお腹の調子が悪くなる」ことは分かっています。
しかしなぜエアコンやクーラーによってお腹が痛くなったり下痢になったりするのでしょうか。
実はこの現象、正確には科学的な解明がされていないようです。
一般的によく言われるのが「冷えによって自律神経が乱れるから」というもの。
ここでも言われますか「自律神経の乱れ」
最近目立ちますよね、このフレーズ。
何でもかんでも自律神経のせいにして片付けるのはよくありません。
冷房によってお腹の調子が悪くなるのは「体の恒常性を保とう」とするメカニズムが関係していると考えられています。
体が冷やされると、ヒトは体温を維持するために余分な水分を排出しようとします。
例えば鍋に張った水を温めたい時は、少し水の量を減らした方が早く温まりますよね。それと同じ。
水分の体外への排泄は「発汗、呼気、排尿、排便」などによって行われていますが、寒いと感じている時には発汗はありません。
その分、排尿と排便による排泄量が増えるわけですが、寒いからといってその度に下痢にはなりませんよね。
その代わり尿が出ます。
だから寒い時ってオシッコがしたくなるでしょ。
しかし、お腹まで冷えてしまうと腸内の水分を直接排出してお腹を温めやすくしようとします。それが下痢です。
ちなみに、夏で暑いのに下痢を起こすこともよくあります。
原因としてありがちなのは、熱中症対策や脱水症状から守るために摂った水分補給にあります。
発汗で失われた水分の中にはナトリウムなどのミネラルも含まれているので、水分のみを補給すると血中など体液内のナトリウム濃度が薄くなります。
このままだと低ナトリウム血症になりかねません。そのため体がナトリウム濃度を保つために余分な水分を排出しようとします。
これにより起こるのが下痢だというわけです。
水分補給をするならミネラル入りのドリンクにしましょう。
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